アジアのローカル景気やおカネ事情を調査する『路地ウラ景気ウォッチャー』。今回は中国・上海で憧れのナースを目指す21歳女子に直撃。でも実は現地では看護師が不人気職業らしい!?(取材・文 / ジンダオ)
【 取材時の為替レート:1人民元 = 約19円 】
中国の不人気職業! 21歳ナースの卵に直撃インタビュー
大家好(だーじぁーはお)!皆さんコンニチワ。
路地ウラウォッチャー・中国担当の「ジンダオ」です。
今回は、上海市黄浦区の三甲病院で憧れの看護師になるべく研修中の「ナースの卵」に、お金のことや将来の夢を聞いてみました。
こちらが看護師を目指して研修中の傅艳红さん(21歳)。出身は江蘇省(こうそしょう)です。
「看護師になろうと思ったのは、誰かのために役に立つ仕事をしたかったから。それにナースの親戚が身近にいて、子どもの頃から患者のために働く姿を見ていたんです。自分も将来こんな仕事につけたらなと思って」
と言う傅さん。ごく普通の志望動機のように聞こえますが、じつは中国の看護師は、現地ではあまり人気のある職業ではないんです。
日本の看護師さんもハードワークではありますが、そのぶん比較的お給料が良い、といった印象があると思います。それに、女の子の「将来なりたい職業」にはたいてい顔を出しますよね。
でも、これから高齢化社会を迎えつつある中国では、増え続ける患者に対して看護師の人員が非常に少なく、3交代勤務のハードワークのわりに安い給与体系。なり手がとても少なくなっているんです。
ずばり「不人気職業」と言ってよいでしょう。
傅さんを始めとする中国のナースの卵は、そんな現状を知っていて、それでもチャレンジする「今どき珍しい若者」ということになります。
中国の病院は、職員数や面積、設備などに応じて上から三級、二級、一級と等級分けされ、各種級に甲乙丙の等級をつけて細かくランク付けされています。傅さんが研修中の三甲病院は「三等級甲等」の意味。中国でもトップレベルの病院のひとつ、ということになります(病院の固有名はご本人の希望によりナイショです…ご了承ださい)。
中国で看護師になるルートは、中学卒業後に看護学校に入学するパターンと、高校卒業後に看護学校に入学するパターンの2通り。傅さんは後者で、看護学校に入学後は4年間のカリキュラムで授業が行われ、在学中の最終年次に各病院へ研修配属となります。
看護学校4年生の時点で研修に行きたい病院を選び、希望の病院で面接を受けて合格したら、その病院で10ヶ月の実地研修をスタートという流れ。地元病院に残る看護学生、別の地域に出て行く看護学生など人それぞれだそうですが、傅さんは上海で働くことを選びました。
「いまの研修が終わったら国家試験!それに合格してもういちど病院の面接に合格したら、やっと正式な看護師として就業できるんです」と言う傅さん。そんな彼女に現在の働きぶりや収入を聞いてみました。
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路地ウラウォッチャー – ジンダオ
38歳・長崎市生まれ。中国上海に中国語ゼロで渡航して早11年目。語学留学を経て、語学学校の立ち上げ、中国横断3ヶ月バックパックなどドップリ中国にハマる生活。趣味は中華食べ歩きと中華アンティーク収集。訪中当初から中国人に間違えられるアジアンテイストな顔つきのお陰で、中国人に紛れ込むのはお手の物。
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