自国の方程式しか見ていない、トランプの貿易政策
一方でトランプ大統領が取ろうとしている保護主義的な政策は主に
・海外からの輸入の拡大は国内生産者の利益を損ねる
・海外からの輸入の増加によって、国内の製品が売れなくなり、雇用が悪化する
・海外から安価な商品の大量流入によって国内の生産の縮小→国内企業の工場の海外移転→国内産業の空洞化が生じる
といった国内の生産や雇用の問題から発生しています。
こうした、保護主義的な政策は、一時的にアメリカだけのことを考えると有効なのかもしれませんが、先程の自由貿易の理論からすると米国以外の世界的には効率が悪くなり、経済成長の阻害要因になります。
なので、実際に政策を検討するためには、この自国の産業と世界経済の2つの方程式を連立で検討しなければならないのです。
しかし、現在のトランプ政権は、まるで自国の一つの方程式しか見ていないように見受けられます。
日本としては、こうした米国の保護主義的な政策についてWTO(世界貿易機関)などの国際機関を通じて、自由貿易の正当性を訴えていくのが一番の筋道だと思っています。
自由貿易のメリットという正論を国際機関の中で主張していけば、日本以外の主要国の賛同も得られると思いますし、米国も正論を受け入れざるを得ない場面が出てくるはずです。
image by:Vytautas Kielaitis/ Shutterstock.com
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『億の近道』(2017年11月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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