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トランプ勝利で終わった米中会談、90日後の大波乱を予感させる米国市場の異変とは?=近藤駿介

米国株式市場のボラティリティは異常な状況

今週の株式市場は、今回の米中首脳会談の結果を好感する格好で始まっている。以前指摘したことだが、米国株式市場のボラティリティは異常な状況にある。

トランプ大統領誕生後の1年間、米国株式市場ののボラティリティは5%前後と極めて低い状況で推移した。そして2年目に入った2018年は、2月と10月に大幅な調整が入りボラティリティは急上昇した。11月以降の米国株式市場のボラティリティは18〜22%程度と、長期平均の12%台を大きく上回った水準にある。

こうしたボラティリティが過去平均と比較して高い水準にあるにもかかわらず、通常はボラティリティを3%強上回って推移するVIX指数は、11月に入りそれを下回った水準で推移している。先週末時点でのS&P500のボラティリティ18.75%に対してVIX指数は18.07%と約0.7%低い水準にある。

こうした状況は、投資家が市場に内包されているリスクを過少に評価している、リスクに対する備えが不足していることを意味している。そしてそれは、市場が上下に振れた場合にそれを増幅させるエネルギーとなる

オプションを売る投資家が増えた背景は…

さらに言えることは、先週の相場上昇が単純なショートカバーによる踏み上げではなかったことである。仮にカバードコールなどのショートポジションの踏み上げが相場上昇の原動力だったとしたら、VIX指数がボラティリティを上回る水準まで上昇するのが普通だからである。

VIX指数が低くなるというのは、オプションを売っている投資家が多いことを示している。投資家がなぜオプションを割安に売り建てするのは定かではない。可能性のある仮説は、米中貿易戦争やFRBの金融政策に対する不透明感が強まったことで、現物でのポジションを抑えめにして、その代わりにオプションの売りで「時間的価値」を稼ぐことにシフトしていることと、過去の水準からして十分に高い水準にあることから、売建てた方が収益機会が高いとみていることである。

VIX指数に関しては20を超えるか否かという水準ばかりが注目されているが、ボラティリティとの相対比較の方がより重要であり、示唆に富んでいる。

90日間という執行猶予期間を迎えた市場は、FRBがハト派的姿勢を見せたこともあり、短い可能性が高いもののまずは「ゴルディロックス相場再来」に浸ろうとしているようである。

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・市場に吹き込む3つの逆風〜「米中貿易戦争」「FRBの利上げ」「大手IT企業悪材料」(11/26)
・1ヵ月遅れのストラテジストの指摘〜良好な経済から強過ぎる経済に…(11/19)
・何が「Tremendous success」だったのか 〜 作戦を変更したトランプ大統領(11/12)
・米中首脳による電話会談〜中間選挙に向けた株価対策(11/5)
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・「投資家は将来の利益をベースにした妥当株価を算出して日々売買している」という非現実的妄想(10/29)
・不透明感が晴れたら、そこは不都合な現実だった(10/29)
・「日程的複合要因」によって救われた世界同時株安(10/22)
・「ゴングに救われた」日米に待ち受ける異なった将来(10/16)
・「ある投資家」の読み通りの株価急落(10/11)
・ドル調達コスト上昇 〜 理屈は恐怖に敵わない(10/8)
・明らかになったパウエルFRBの正体 〜 Goldilocksは終わった(10/7)
・「日米金利差」と「ヘッジコスト」(10/4)
・悪材料は蜜の味?(10/1)
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9月配信分
・日米有権者の意識の差と、FRBと市場の認識の乖離(9/25)
・米国株を支える季節風〜「誰か」は中間選挙前に株価が上昇することを知っている(9/18)
・4日新甫は荒れる?〜 攻勢から守勢へ(9/10)
・白バイ隊はヒーローなのか、それとも「反則金徴収マシン」なのか?(9/7)
・存在価値を失ったヘッジファンドが支えるトランプ相場(9/3)
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・「トルコ・ショック」〜 「能動的リスクオフ」か「受動的リスクオフ」か(8/13)
・日銀による「敗北宣言」(8/6)
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・佳境を迎えた戦い〜W杯、貿易戦争、そしてFRB(7/9)
・「謎」は解けたが長期金利は上昇しなかった(7/2)
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元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』(2018年11月28日号)より一部抜粋
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