分かっていても離れられない。だからこそ「呪縛」
「株式なんか信用できない。現金だけが信用できる」という無意識の呪縛から逃れられないのであれば、いかに優秀で勤勉で知識があったとしても株式の長期保有をすることができない。
「現金に戻したい」という欲求が心の底から湧いてきて、保有する株式が上がっても下がっても良いニュースが出ても悪いニュースがでても、常に売ってしまうことになるからだ。
「優良企業の株式の保有数を増やす」ことが資本主義で生き残るための重要な要素にも関わらず、その本質が決して理解できないのである。頭で分かっていても、現金の呪縛がかかっていて、どうしても「現金に戻してしまう」のだ。
それほど、現金への呪縛が強い。客観的に資本主義を見ると「富=株式」になっているにも関わらず、「富=現金」という意識があまりにも強すぎて「富=株式」という現実が感覚として捉えきれない。
分かっていても離れられない。だからこそ「呪縛」なのである。
「現金こそすべてだ」という呪縛は解けるか?
優良企業の株式の保有を増やすためには、単に手持ちの現金を優良企業に置き換えていけばいいだけの話なのだが、その単純なことができないのは「現金しか信用できない」という呪縛にかかっているからだ。
株式を保有しても心の中で現金を渇望しているので、どうしても「現金に戻したい」という気持ちが心の底から湧いてきて、それに引きずられる。
実際のところ、この現金至上主義に対する呪縛を解かないと、いくら理論的に「優良企業の株式の長期保有が現代社会の要諦(ようてい)だ」と気づいてもどうしようもない。
この呪縛は、実際に長期保有した株式が「自動的に膨れ上がる」「配当が大量に入ってくる」という経験をしているうちに自然に解けてくるのだが、問題はそこまで至ることができる人は意外に少ないことだ。