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政府はもう「戦後最長の景気拡大」と言い張れない。1~3月はゼロ成長へ=斎藤満

政府の「戦後最長の景気拡大」認識は、このところ旗色が悪くなりました。そこで今回は、1-3月の実質GDP成長率予想を試みます。日本経済の実態はどうでしょうか。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2019年4月3日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

1~3月の実質GDP成長率を予想。令和がゼロ成長の象徴となるか

プラス・マイナス交互に

政府の「戦後最長の景気拡大」認識は、このところ旗色が悪くなりました。

この1年をみても、日本の実質GDP(国内総生産)はプラス成長とマイナス成長とが交互にやってきています。昨年1Qがマイナス0.1%、2Qがプラス0.5%、3Qがマイナス0.6%、そして4Qがプラス0.5%です。この1年では0.3%しか成長していません。しかも順番からすると今年1Qはマイナスの番となります。

日本の景気は戦後最長の拡大というよりも、この1年は「のこぎり」状の「横ばい」、あるいはほぼゼロ成長の基調となっています。

そのなかで企業だけが利益を上げれば、そのつけが家計の所得減となり、政府が増税で収入を増やせば、民間部門の税引き後の所得が減少する構図となっています。

個人の間に景気回復の実感がないのはある意味当然と言えます。

日本版「GDPナウ(超短期予測)」

そこで、米国のアトランタ連銀に倣って、日本版「GDPナウ(超短期予測)」を試みてみましょう。1-3月の実質GDP成長率予想です。

<生産>

まず生産面から見てみましょう。鉱工業生産は2月のデータまで発表されていますが、3月の予測指数を加味すると、1-3月は前期比2.5%減と見込まれています。もっとも、このところ翌月の計画分はほぼ2%から4%下振れているので、それを勘案すると、1-3月の生産は最終的に前期比で3%前後の減少が予想されます。

サービスなどの第3次産業活動指数は、まだ今年1月分しかわかりませんが、1月の水準は昨年10-12月を0.1%下回っています。このまま第3次産業が前期比ゼロないし小幅マイナス成長とすると、第1次産業が爆発的なプラス生産とならない限り、1-3月の生産面から見たGDPはマイナス成長となります。まだ第3次産業が2月以降増加に転じる可能性は残っていますが。

<支出>

次に支出面から主だったものを見てみましょう。最大の構成項目である個人消費はまだ1月分のデータしかありませんが、内閣府の「消費総合指数」は1月の水準が昨年10-12月を0.6%下回って弱いことを示唆しています。日銀の「消費活動指数」は1月が10-12月を0.2%上回っていると試算しています。均してみると、1月までで個人消費は小幅マイナスと見られます。

また消費財の出荷は2月までわかっていますが、非耐久消費財の出荷が10-12月水準を約5%も上回っている反面、耐久消費財が2.5%ほど下回っています。消費財の出荷でみると、ここまでややプラスとなります。消費総合指数などと合わせてみると、ここまで個人消費の伸びはほぼゼロと見られます。

Next: 頼みの外需も減少へ。政府もマイナス成長を隠しきれなくなる…

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