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コメディ俳優が大統領に就任。ウクライナ国民が汚職と米国支配にNOを突き付けた=浜田和幸

ドラマを企画した「影の演出家」

実は、このドラマを企画し、3年近くも視聴率ナンバーワンに押し上げた「影の演出家」がいる。

その人物こそポロシェンコ大統領のライバルと目されるコロモイスキー氏であり、この人気ドラマを制作、放映したテレビ会社「1プラス1」のオーナー社長に他ならない。

今回の大統領選挙期間中も連日、ゼレンスキー氏の登場する過去の番組を放送し、選挙運動もSNSやメディアを中心に展開。

よくある演説集会ではなく、仲間のコメディアン俳優を動員し、各地でショート・コントを演じるという奇抜な作戦も功を奏したようだ。

ぶっちゃけ、「政治経験ゼロ」の新大統領だが、アメリカのトランプ大統領とは違う手法で新たな政治のあり方に挑戦していくに違いない。

ウクライナを食い物にしてきたアメリカ:バイデン元副大統領はピンチ!

ぶっちゃけ、政治家の汚職や腐敗は世界的にまん延する現象のようだ。

今回、ウクライナでコメディアン出身の新大統領が誕生したのも、国民が現職の大統領の腐敗に嫌気がさしたからである。

実は、現職のポロシェンコ大統領が大敗した背景には、アメリカによる長年にわたる「腐敗政治家の利用」という隠された真実が明らかになったことも影響している。

その「不都合な真実」を暴いたのはウィキリークスである。

ご存知、先ほど英国で逮捕されたアサンジ氏の仕業とも言われている。

ウィキリークスが公表したアメリカの外交機密文書によると、2016年、当時のバイデン副大統領は自分の息子がワイロを使ってウクライナの天然ガスの採掘権を得た疑惑を捜査し始めた検察官のクビを切るようにポロシェンコ大統領に圧力をかけた。

その取引に応じないと、アメリカのウクライナへの金融支援の10億ドルを引き上げるという露骨な介入であった。

しかも、与えられた時間的猶予は6時間。

もし、10億ドルを引き上げられれば、その時点でウクライナは経済破綻する。

ポロシェンコ大統領に選択の余地はなかった。

Next: 過去13年に渡って米国政府がウクライナ内政に関与、その狙いとは?

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