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下げ相場はバフェット式で。強いブランド力を持つ消費財メーカー、花王は買いなのか=栫井駿介

劇的な成長が見込めなくても、バフェットが買いたい理由

では、バフェットはなぜそのような銘柄を好んで買うのでしょう。

結論から言うと、リスクが低いからです。ここで言うリスクとは、事業リスクと株価変動リスクの両方です。

事業リスクに関しては、上記で説明したとおりです。どんな経済状況でも必ず消費される製品を作り、寡占市場を築いています。

株価変動リスクも、PERが20~25倍程度で安定しているため、ショックが起きても相場全体よりも株価変動が緩やかになります。先行きが不安視される現在のような局面ではむしろ資金が集まりやすい傾向もあります。

それに連続増配も加えれば、よほどのことがない限り大きく値崩れせず、なおかつ安定した株価上昇が見込める銘柄です。初心者はこのような銘柄から入るべきだと考えます。

花王<4452> 日足(SBI証券提供)

花王<4452> 日足(SBI証券提供)

リターンを上げたければ「Buy the Dip」

しかし、せっかく個別株投資をしているのに、市場平均並みの成長しか望めないのはつまらないとも言えます。そう考えるなら、買うタイミングを身につける良い機会です。

これだけ盤石の銘柄でも、相場全体の変動や突発的な材料によって値下がりすることがあります。過去にも、PER15倍程度まで下がったことがありました。

PERが15倍の水準にまで下がったとしましょう。その後10年間利益が年率6.5%で成長し、それまでにPERが25倍の水準まで戻ったとしたら、株価は3.1倍に上昇します。年率リターンで12%です。かなり良い水準になったでしょう。

これだけ盤石な銘柄を買って年率12%なら、リスク対リターンで考えると効率の良い投資と言えます。リターンの絶対値だけで判断してはいけません。

すなわち、リスクを抑えつつリターンを上げようと思ったら、花王のような非の打ち所のない銘柄を、株価が下がった時に買えば良いのです。決して難しいことはありません。バフェットもこのようにして富を築きました。

株価が下がった時に買う戦略を「Buy the Dip」と言います。花王はそれに適した銘柄です。株の初心者は、まず頭に入れておくと良いでしょう。

以下の記事も参考にしてください。

【関連】なぜバフェットは下げ相場で買うのか?暴落が楽しみになる「Buy the Dip」の極意=栫井駿介

image by : Sharifah Aishah / Shutterstock.com


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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年5月31日号)より
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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