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マツキヨとスギ薬局、異例のココカラ争奪戦へ。ドラッグストアの成長は頭打ちなのか?=栫井駿介

割安な株価は市場の頭打ちを織り込んでいる

では、ドラッグストア企業への投資は有望なのでしょうか。株価を見ると、この1年間での下落が目立ちます。

出典:Yahoo!ファイナンス

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下落要因は、相場全体が軟調なことや、これまで上昇してきた反動の売りが考えられます。特に後者に関しては、マツモトキヨシを例にとっても10年で一時は4倍にまで伸びました。「そろそろ刈り入れ時だろう」と考える投資家が少なくないのです。

出典:Yahoo!ファイナンス

出典:Yahoo!ファイナンス

PERを見ると、かなり買いやすいところまできました。マツモトキヨシが13倍、スギHDが18倍、ココカラファインが15倍です。ここから大きく成長しないとしても、決して割高な水準ではありません。むしろ、これまでの成長を踏まえると割安にすら見えます。

ここで、投資家がどのように見ているのかを考えなければなりません。私が想像するに、すでに株価は市場の飽和を織り込んでいるのではないかと思います。国内で活動する限り、市場がどこまでも伸び続けることはありません。

単に成長が止まるだけならさほど問題にはなりませんが、その先に待っているのは競争激化です。1店舗あたりの客足が鈍れば、やがて固定費が重荷となり急速に減益が進みます

コンビニ業界でも見られた現象

これはコンビニ業界でも見られたことです。コンビニ業界は東日本大震災以降絶好調でしたが、ピークをすぎると減益に転じました。急速な拡大は、どこかで逆回転を生むのです。

ローソン<2651> 業績推移(出典:みんかぶ)

ローソン<2651> 業績推移(出典:みんかぶ)

ドラッグストア業界の再編の動きは、まさにこれを見越したものと言えるのです。

Next: 決して悪い投資対象ではない?ドラッグストアの勝ち組はどこだ

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