破綻危機が噂されるドイツ銀行に対し、ドイツが公的資金を投入して助け船を出す可能性が出てきました。果たしてこれでリーマン級危機は回避されるのでしょうか。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年6月18日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
日銀も真似をする?ドイツ銀行とドイツはこれで生き残れるのか…
ドイツ銀行に助け舟?
英国ファイナンシャルタイムズがドイツ銀行に「バッドバンク」構想があり、ドイツ銀行の欧州以外での債券、株式のトレーディング部門は相当縮小もしくは閉鎖される可能性があると報じたことで、株が買い戻される動きとなっています。
果たして、これだけでこの銀行は立ち直ることができるのでしょうか?

DEUTSCHE BANK AG<DB> 日足(SBI証券提供)
そもそもバッドバンクとは?
バッドバンクというのは日本でもその昔聴いたことがあるような手法ですが、金融機関の不良債権を買い取る資産金融会社のことを指します。
事業を継承するバッドバンクと、不良資産だけ保持するバッドバンクに分離することで、なんとか既存の銀行を助けるという仕組みになります。
ただ、このやり方はいわゆる公的資金の投入が必要になるもので、果たしてドイツで実現するのかが注目されることになりそうです。
実現すればメルケルは大ウソつきに
そもそもドイツのメルケル首相は、「ギリシャ危機」の時に、散々何故ドイツがよその国を助けなくてはならないのかとごねた張本人。それ以降、ドイツ銀行も国としては助けないと明言してきました。
これでドイツが国家として資金を提供してバッドバンクを設立することになった場合、大ウソつきになるわけです。
計画があることは事実でしょうが、本当にドイツ政府が国としてこれを行うことができるのかが大きなポイントになりそうです。