fbpx

ドイツ銀行に公的資金投入で国家ごと沈む?嘘つきメルケルが恐れるドイツ発の世界大恐慌=今市太郎

不良債権の総額は特定できていない

著名金融ブログのゼロヘッジが開示しているデータによりますと、ドイツ銀行は2018年末段階で43.5兆ユーロ(5300兆円強)のデリバティブの総額を抱えており、この中でどれだけが不良債権なのかは特定できていないのが正直なところ。

バッドバンクに必要となる総額がいくらになるのか、まだこれからさらに議論の余地がありそうな状況です。

事前予測では600億ユーロの資金でバッドバンク設立ということを考えているようです。

日本で金融機関の不良債権処理が行われた90年代を思い起こすと、不良債権の特定化というのはかなり至難の業になりそうです。

「ベイルイン」という欧州の決まりはどう機能する?

EUはギリシャ危機後にベイルイン方式を導入しており、ドイツはこの法改正をいち早く行った国の1つとなっています。

このベイルインは、金融機関の再生と破綻処理の方法の1つとして、株主や一般債権者が損失を負う仕組みです。

国が債務を保障するベイルアウトとの組み合わせというのは、これまで例のないものといえ、ドイツ銀行を巡ってドイツがどうこのあたりのつじつまを合わせていけるのか。またドイツ国民がどこまで税金の負担を容認できるのかが、さらなる注目点となりそうです。

国家ごと破綻のリスクは残る

そもそもデリバティブの取引量というのは簿外債務のように扱われ、決算書類をいくら見てもどこの銀行でもはっきりわからないのが現実の状況です。

ドイツ銀行の不良資産を取り除くことは、受け皿の機関を設定しても相当至難の業のはず。さらに損失を受け皿機関に移行しても移行しても、後から後からまた示現するという悪循環に苛まれて、結局、国家が負担する金額が膨れ上がる危険性も十分にありそうです。

もはや負債が大きすぎて潰せないドイツ銀行ですが、この手のバッドバンクの設立で本当に銀行自体も国も生き残れるのかが、非常に大きな関心を集めることになりそうです。

Next: 実は日銀も出口戦略で同じことを考えている?

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー