「世界経済共倒れ」現象
もともと、世界の景気はメチャクチャ悪いのです。
中国経済がダメなのは周知の通り。ヨーロッパも景気が悪いので金融緩和の連続。とっくにマイナス金利を導入しています。それでも、なかなか経済が上向かないで困っています。
日本も、どうしようもないぐらい経済が悪いので、政府が捨て身の金融緩和をやりました。しかし、結局「何をやってもダメ」という結論が出たわけです。
そんな中、ただ一人「好調」をキープしていたアメリカも、まわりが全員風邪をひいている状況の中、どうやら風邪がうつったようで、顔色が悪くなってきました。
そして、イエレンさんが、ついに「予定通りの利上げは無理みたいね」と弱音を吐きました。つまり、今の「リスクオフ」は「世界経済共倒れ」的な現象なのです。ちょっとヤバイ状況です。
株と為替のサポートライン
先週号で僕は、
「株のサポートラインは16,000円付近にあるが、これを割ると、その下は14,000円までサポートラインがない」
「為替のサポートラインは116円付近にあるが、これを割ると、その下は110円までサポートラインがない」
と書きました。
株も為替も、最初のサポートラインを割り込みました。したがって、株の現在のサポートラインは14,000円。為替(米ドル/円)のサポートラインは110円です。
株も為替も買ってはいけない
今回の下落は、あまりにも急すぎます。ここまで急落すると、そのあとは、「反発しづらいし、反発しても小さく短く終わってしまう」ことが多くなります。
つまり、「しばらくの間は、いくら安くても、株も為替(米ドル/円)も買ってはいけない」ということになります。反発が長続きしない可能性が高いからです。短期トレードの達人なら、買っても大丈夫ですけどね。
むしろ反発したところで売った方が、勝てる確率が高いと思います。あるいは、日経平均が下がると上がる、インバース型やベア型と呼ばれるETFを買うか、ですね。「ええい!株なんてやーめた!」と「お休み」するのもいいと思います。
今週の株はどうなる?
通常、ここまで下げれば反発しますが、今週も、「よくて横ばいか、小反発」で、基本的には「続落」と見ておいた方がよさそうです。現在、日経平均のチャートは16,000円付近にレジスタンスライン(上値抵抗線)があり、上値が重くなりやすい状況です。
このあと14,000円付近まで下げれば、短期的な反発が予想されますが、すぐに上値が重くなり、反発上昇が長続きしない可能性がありますので注意が必要です。
今週の為替はどうなる?
為替(米ドル/円)も、通常、ここまで下げれば反発します。12日(金)も、日本政府の為替介入がささやかれる中、やや反発ぎみの動きになっています。ただ、チャートは、113.50円~114.00円付近までの反発が「いっぱい」か?という弱い形です。
いったん反発して113.50円~114.00円に接近したあと、再度、売り優勢となり、110円に向かう、あるいは110円を割り込むような下落になりかねません。安易に買わないよう、注意が必要だと思います。
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