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韓国、GSOMIA破棄撤回への下準備が進行中。日本に頼るしかなく、北のSLBM発射で観念=勝又壽良

GSOMIA復帰、韓国国内では未発表

韓国国防部が、「3カ国の軍制服組トップが多国間協力を活用することで同意」を発表しなかったのは、GSOMIA復帰が韓国国内で未発表であることだ。

だが、韓国の朴漢基合同参謀本部議長は、「多国間協力を活用することで同意」したと、米統合参謀本部が10月1日付の報道資料で公表している。韓国の合同参謀本部議長が、独断でこのような重要事項に合意するはずがない。大統領府の了解を得た上でのことであろう。

こういう伏線で見ると10月4日、韓国の南駐日大使による「韓国のGSOMIA復帰」発言に注目せざるを得ない。

南大使は、韓国文大統領に近いとされている。文氏が南氏を日本大使に送り込んだ理由は、日韓関係の打開という大きなミッションを与えた結果とされている。

となると、「南発言」は文大統領の意向を受けた発言とも読めるのだ。

なぜ、いったんはGSOMIA破棄に向かったのか?

前述の通り、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使が10月4日、「GSOMIAは復帰が望ましいと考えている」と述べた。

南官杓大使は、駐日韓国大使館で行われた韓国の国会外交通商委員会の国政監査で、「GSOMIAを破棄しても情報交流は全く問題ないのか」という尹相現(ユン・サンヒョン) 議員=自由韓国党=の質問に、「GSOMIA終了という事態は韓日両国間において望ましくない状況であり、このような状況が起こらざるを得ない局面は遺憾だ」と語った。

また、キム・ソンハク駐日国防武官(海軍准将)も、前記の国会外交通商委員会国政監査で、「情報は1つでも多く持っている方がいい。GSOMIAは日韓関係から離れて友好国との関係、北東アジア情勢も考えなければならない」と述べた。以上は、『朝鮮日報』(10月5日付)が報じた。

駐日国防武官による、「GSOMIAは日韓関係から離れて友好国との関係、北東アジア情勢も考えなければならない」という指摘は核心を突いている。

GSOMIAが、単なる日韓の2ヶ国関係に止まることなく、韓国の友好国や北東アジア情勢に関わっているという指摘は、まさに正論である。

この正論がなぜ8月22日、韓国大統領府での国家安全保障会議で否定されたのか。

前記の国政監査では、「南官杓大使が青瓦台国家安保室第2次長時代、GSOMIA破棄が検討されていたか」という質問に、「そのようなことはない」と答えている。南大使のこうした回答は、同大使の後任者である金鉉宗(キム・ヒョンジョン)現・国家安保室第2次長の主導でGSOMIAが破棄されたことを間接的に表したものと言えそうだ。

金鉉宗・国家安保室第2次長は、通商問題で民族主義立場を強調する弁護士として、文大統領の目にとまったとされている。

安全保障の専門家でない人間が、安全保障会議を牛耳るという前代未聞のことが起こり、GSOMIA廃棄という破滅的結論をまとめ上げたのだ。

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