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韓国、GSOMIA破棄撤回への下準備が進行中。日本に頼るしかなく、北のSLBM発射で観念=勝又壽良

北のSLBMで事態急変

ところが、10月に入って事態は急変する。北朝鮮によるSLBM発射が、暗い影を落とし始めたのである。

米国の要求する韓国のGSOMIA復帰論に、緊急性を帯びてきた。その背景として、次の報道(『日本経済新聞』10月6日付)に注目していただきたい。

SLBMは、海中の潜水艦から発射できるミサイルということだ。移動する潜水艦が撃てば発射地点が察知しにくく、兆候もつかみにくい。日本は米国の早期警戒衛星でミサイル発射の情報を得ている。兆候をつかめば陸海空のレーダーで探知・追尾し、イージス艦の海上配備型迎撃ミサイル「SM3」と地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)で迎撃する。

しかし、潜水艦から撃てば、発射の兆候や場所の探知は遅れ、対応が後手になる。10月2日の北朝鮮のSLBM発射は潜水艦からではなかったとの見方が多い。それでも海中からの発射技術は確立したとみられている。液体燃料を注入するミサイルは準備に時間がかかり、衛星などで発射の兆候をつかみやすい。今回のような固体燃料の場合は、陸上でも移動式発射台を使って様々な場所からすぐに発射できる。

出典:日本経済新聞(2019年10月6日配信)

ここに報じられたような事態になると、日本ですら北朝鮮の軍事動向に一層の神経を払わざるを得ない。

韓国にとっては現実問題として、GSOMIAで日本の軍事情報提供の必要性がさらに高まったのである。

現に、韓国国防部は北朝鮮のSLBM発射情報について、日本側に提供を申し入れてきた11月23日まで、GSOMIAは効力を持つので、韓国が、日本に情報提供を求める権利はある。

韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は、北朝鮮が2日午前7時11分ごろ未詳の飛翔体を東海(日本名・日本海)方向に発射したことに関連し、日本に対して情報共有を要請したと明らかにした。

出典:中央日報(2019年10月2日配信)

GSOMIA復帰へ足慣らし

このように、韓国が「恥を忍んで」日本へ情報提供を求めた裏には、日米韓の間で何らかの「合意」ができていることを覗わせる報道が出ていることだ。

これら情報を丹念に繋ぎ合わせると、米国による韓国への説得が功を奏しており、韓国がGSOMIA復帰への下準備を始めている様子が窺える。

米統合参謀本部は10月2日(現地時間)、マーク・ミリー同本部議長が米国防総省で、日本の山崎幸二統合幕僚長、韓国の朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀本部議長と1日に会い、北東アジアの平和と安定のための多国間協力を活用することで合意したと発表した。日本の防衛省統合幕僚監部も3カ国の軍制服組の会談結果を発表している。

だが、なぜか韓国合同参謀本部だけ、公式結果の発表をしなかったのだ。

このことについて、韓国メディアが注目するのは、「3カ国の軍制服組トップが多国間協力を活用することで同意したと明らかにした点」である。韓国政府が、今年8月にGSOMIA終了を宣言して以降、日米韓の軍制服組トップが一堂に会したのは今回が初めてだ。

米統合参謀本部は10月1日付の報道資料で、今回の会談について「高位の軍指導者たちは相互安全保障の諸懸念を取り上げ、地域の平和と安定を促進するための多国間協力を活用することで合意した」と明らかにしていた。

米統合参謀本部は、GSOMIAに言及していないが、3カ国の軍制服組トップが多国間協力を活用することで同意したと明らかにした点が目を引く。

つまり、韓国がGSOMIA復帰へ同意したことを示唆しているのだ。

Next: GSOMIA復帰に現実味。なぜ、いったんは破棄へと舵を切ったのか?

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