アメリカは国内優先、ドル高はご法度の時期
大統領選挙を控えて、アメリカは国内優先の時期となっています。つまり、大幅なドル高は、ご法度。ドル高で雇用が失われる、という風に、有権者にみられるためです。
大統領の候補者は、このままいけば、共和党ドナルド・トランプ氏、民主党ヒラリー・クリントン氏。
一時、無所属での出馬を検討していたブルームバーグ氏(前NY市長)は、出馬を取りやめました。ブルームバーグ氏は、事実上、ヒラリー・クリントン氏を後押し。
トランプ対クリントンという対決になります。
2人とも、対日本では、円高を主張しそうなので、最近のドル円も影響を受けています。
ドル安(対・欧州通貨)は景気上昇を意味する
ポンドやユーロなどに対して、ドル安となっていますが、これは景気が良い証拠。
金融危機のときは、「円>ドル>ユーロ・ポンド」となります。これは、ポンド円やユーロ円が、きつく下落するという、おなじみのパターンです。
しかし、今は、ユーロ・ポンド>ドルです。つまり、クラッシュの危機は、緩和しているのです。
FRBが、金利を上げる方向でみている時は、景気が良いですから、あまり大きな心配はないのです。ですから、日銀レートチェックなどが市場に伝わると、すぐにドル円が大きく上昇します。
景気が悪い時は、日銀のレートチェックや市場介入は、ほとんど効果がありませんが、いまは、景気が上向きなので、効果が出やすい、というわけです。
メインシナリオは?
ちょっと、様々な要因をみてきましたが、メインシナリオは、今年の前半に2回利上げし、あとは、静観するパターン。
もしかして、というのは、大統領選挙が近づく中での利上げや、選挙後の12月の利上げ。
今年前半に、さっさと2回利上げして、あとは静観すれば、市場は、落ち着くと思いますが、イエレン議長は、どの手法をとるでしょうか。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2016年3月19日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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