日本の成金を襲うのは非常に簡単な仕事である
それに比べて、日本の成金は今のところかなり無防備だ。
ひとりでそこらを適当に歩いているし、移動でも新幹線のグリーン車みたいなものを使って実に襲撃しやすいところに身をさらしている。
住居も守衛がいるようなセキュリティ対策がないところに住んでいる成金は稀だ。ほとんどは監視カメラが数個あるだけの、普通の営業マンですらも突破できるような杜撰なオートロック式のマンションに住んでいる。
そこから普通にエントランスに出入りして、入口を張っているだけで身柄を捕捉できるような行動をしている。
つまり、日本の成金を襲うのは非常に簡単な仕事である。つまり、日本の成金たちを襲って彼らからカネを奪うという「ビジネス」は、今がブルーオーシャン(未開拓市場)なのである。
制御できないほどの憤怒で突き進む人間が忽然(こつぜん)と現れる
日本の無防備な成金たちを襲ってカネを奪うという新たなビジネス……。上から目線で嘲笑してくる「成金ども」に制御できないほどの憤怒を持った人間が、それに気づくのはそれほど遠い未来ではないはずだ。
今はまだ「稼げないならクズ」と言われてもアンダークラス層は黙って耐えているかもしれないが、言うまでもなく人間の忍耐力には限度がある。
強いストレスを感じ、閉塞感を打ち破ろうとする激しい感情は、いずれどこかで爆発する。
社会に対する怒り、自分を嘲笑する者に対する憎悪は、もはや理性や法をも超越して噴き上がる。成金に「クズ」と言われたら、当然のことながら怒りと憎悪の矛先は、それを言った成金に向かうのである。
それは、別に予想外な出来事ではない。