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大手商社「減損ショック」の中身~三菱商事と三井物産はいまが買い?=栫井駿介

総合商社に暗雲が立ち込めています。2強である三菱商事と三井物産がともに資源事業の減損損失を計上し、会社創設以来初の最終赤字に転落するということです。株価も先々週末から三菱商事が2.7%、三井物産が4.5%下落しています。バリュー投資家としては買い時と見るべきでしょうか。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

大手商社の「減損ショック」を分析して分かった大きな将来性

三菱商事と三井物産は似ているようで結構違う

どちらも大手総合商社と呼ばれる2社ですが、その事業構成は結構違っています。

三菱商事

三菱商事は「総合」という名にふさわしく、様々な事業を手がけています。純利益に占める割合は「生活産業」3割、「機械」2割、「エネルギー」2割、「新産業金融」1割という感じです。

「エネルギー」と「金属」を合わせた資源分野は約4分の1となります。

2015年3月期 三菱商事純利益(出所:アニュアルレポート)

2015年3月期 三菱商事純利益(出所:アニュアルレポート)

商社のビジネスは昔のように単に仕入れて売るだけではなく、物流や投資、金融などを通じて産業全体を円滑化する役割を担っています。

三菱商事はそれを資源関係だけでなく、ローソンに代表される消費者ビジネスから宇宙関連まで幅広く行っています。ここでは当然「三菱」の名前が生きていることでしょう。

三井物産

一方の三井物産はというと、利益創出源が資源分野へ偏重しています。EBITDA(償却前営業利益)に占める資源分野(「エネルギー」+「金属資源」)の割合は8割に上ります

2015年3月期 三井物産EBITDA(出所:アニュアルレポート)

2015年3月期 三井物産EBITDA(出所:アニュアルレポート)

資源分野への投資は最近のことのように言われることがありますが、有価証券報告書の<沿革>を見ると、1960年代から豪州の炭鉱や鉄鉱山の開発を行っていることが分かります。

伝統的に資源分野を中心に取り扱っており、今後もそれが急に変わることはないでしょう。

幅広い分野に分散した三菱商事」と「資源分野に偏重する三井物産」では性質が大きく異なっているのです。

Next: 2社にとって、最終赤字は「お灸」程度の意味でしかない

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