商社株は割安に放置されている
商社株はそもそも低位株として知られています。PERは常に1桁、PBRは0.5倍程度です。私はこの評価は低すぎると考えています。投資資産が多く、時価評価が適用された貸借対照表における純資産の半分程度の評価しかないというのは会計的には異常です。
低評価は今回のようなエネルギー価格の下落リスクを反映しているとも言われますが、長い目で見て資源の需要がなくなることはないでしょう。その他の分野に分散していれば、業績もさらに安定してきます。
三菱商事は、資源に頼らず様々な事業へ関与しています。今回の件で資源分野の膿も出したでしょうから、今後ますます事業を広げていくでしょう。
三井物産は、資源分野偏重でリスクが高い部分もありますが、50年以上続けてきた事業がここに来て急にダメになるとは考えにくいです。資源需要に関しては中国の動向が気になりますが、長い目で見れば中国の次はインドが待ち構えています。来季の配当も営業キャッシュフロー3,500億円の25%ということで、利回りは3.6%程度が見込めます。
安定の三菱商事と爆発力の三井物産。これを機にチェックしてみてはいかがでしょうか。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年3月25日号)より
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。