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3人の“黒船”が演出する「アベノミクス第3幕」 再び白羽の矢が立つ日本株式市場=藤井まり子

3月FOMC後の記者会見で「日本のマイナス成長への驚き」が表明されると同時に、アメリカの大物経済学者、スティグリッツ教授、ルービニ教授、クルーグマン教授らが続々と来日。これは密命を携えているでしょう。前代未聞の黒船到来です。(藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート

いま市場で新たな「日本株ブーム」が作られようとしている

スティグリッツ、ルービニ、クルーグマン来日は“黒船”到来だ

アメリカ・イエレンFRBは、3月16日の政策決定会合で、世界の経済及び金融情勢のリスクを鑑みて、アメリカの実質GDP成長率の下方修正を発表しました(2016年の成長率を2.4%から2.2%へ、2017年の成長率を2.2%から2.1%へ)。

FOMC後の記者会見で、イエレンFRBは、「中国とユーロ圏の景気減速は想定の範囲内だったが、日本の第4四半期のマイナス成長には驚いている」と明言しました。

時を同じくして、3月16日に、ノーベル経済学者・スティグリッツ教授がすかさず来日。時を置かずして、週末3月18日には、あのルービニNY大教授までもが来日。さらにさらに、週明けには、あのノーベル経済学者・クルーグマン教授も再来日。

黒船到来です。しかも、3隻、もとい3人!3者ともに、大物のアメリカの経済学者です。

スティグリッツ教授

スティグリッツ教授は、もちろん、日本の「消費税10%への再増税」を強く反対している人物です。が、柔和な人物で、コミュニケーション能力がとても高い人。すなわち、政治的な振る舞いが上手な経済学者。

しかも、ギラギラしたところが少ない「アンチ新自由主義者」「アンチ市場主義者」なので、日本財務省内部にもスティグリッツファンは少なくない。スティグリッツ特有の穏やかな物言いと、柔らかな物腰で、増税論者の黒田日銀や「緊縮マニア」の日本財務省のメンツを潰すことなく、日銀総裁や日本の財務官僚を上手に説得してくれることでしょう。

クルーグマン教授

クルーグマン教授は、スティグリッツ教授とは対照的に「やや海賊的」で「口が悪い」です。が、迫力のある人。クルーグマン教授は、2012年11月の「アベノミクスのロケットスタート」以前からの「アベノミクス(金融緩和と財政出動と構造改革の三本の矢)の熱烈な推進者」でした。

昨年2015年11月あたりに、ネット言論では、「クルーグマンのアベノミクスへの心変わり(=クルーグマンはアベノミクスを見放した!)」などという「間違った情報」があふれていたようです。が、これは全くの見当違いの「誤報道」。あるいは、日本国内のアンチ・リフレ派たちが意図的に流した「大きな誤解」でした。

クルーグマンの本心は、「今の日銀は、金融緩和への腰が引けている。日本には、もっと大胆な金融緩和と大胆な財政出動が必要。日本の場合は、2%インフレ目標では足りない。4%インフレ目標に変更せよ。2014年の8%消費税増税は間違っていた。今年こそ、消費税10%への再増税は先送りして、日本財務省はもっと積極的な財政出動を始動せよ」という「もっとも先鋭的なリフレ派」です。クルーグマンは、一貫して「追加の金融緩和策と追加の積極的な財政出動とで、日本も不況なんかさっさと片付けてしまえ!」という「過激派」の経済学者です。

ルービニ教授

ヌリエル・ルービニ教授は「憂鬱博士」とあだ名がつくほどの悲観論者。どちらかと言うと、遠い将来の日本の財政破綻をも心配している超悲観論者。その悲観論者のルービニ教授でさえも、「日本は、目先の消費税10%への再増税は先送りすべし。それどころか、この春には、日銀は追加の金融緩和をすべし」との信念をお持ちです。

この3人がこの3月に続々と来日するというのは、前代未聞。密命を携えていますね!

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