イエレンFRBが描く景気回復のストーリーとプロセス
さて、かねてより繰り返しお伝えしておりますように、イエレンFRBの描く「アメリカの景気回復のストーリーとプロセス」は、その成長率が2%台と鈍化しているものの、その中身には意外と「意外性がありません」。従来と同じ手法とプロセスが使われているのです。
すなわち、今回の「アメリカ景気回復と利上げ着手のプロセス」でも、「1994年の利上げ着手のプロセス」、「2004年の利上げ着手のプロセス」の時と、まったく同じ「ストーリー」の上に立っているのです。
「アメリカの景気回復のストーリー」には、「日本経済への大きな期待」が新しく加わって、「中国経済への期待」が剥がれ落ちたものの、本質的には、ここ20年以上、たいして変化はないのです。
具体的には、
・新興国経済全体がなんとか底打ちをした結果、
・エネルギーを始めとするコモディティー価格の下落が止まり、
・その結果、実効為替レートでの「ドル安」が始まって、
・エネルギー安が止まって、ドル安が始まった結果、アメリカ国内でインフレ(物価上昇)が始まり、
・アメリカ経済が回復し始める、
という「プロセス」を踏んでいるのです、ここのあたりは、幾度かお伝えしていますね。
というわけで、2016年のアメリカ経済では、穏やかかつ堅実な景気回復軌道の中で、エネルギー価格が安定して「実効為替レートでのドル安が」始まり、「そこそこのインフレ」が定着し始めました。
アメリカ株式市場は、年初来の高値を更新して、S&P500は2,050ポイントまで回復してきています。
ところが、イエレン&フィッシャーFRBは、今現在の株式ブームや不動産ブームを「大型バブル」へと「変化」させる気は毛頭ない。
イエレンFRBは、アメリカ株式市場が再びイケイケになって、S&P500が再び2,100ポイントあたりまで上昇しそうになれば、連銀関係者が再び「口先介入」を行って、アメリカ株をクールダウンさせるではないでしょうか?
それでも、アメリカ株がクールダウンしなければ、イエレンFRBが「二度目の利上げ着手」を開始することでしょう。
アメリカ株は、2016年のうちは、イエレンFRBの強力な管理下のもとで、「2015年の最高値圏」を超えさせてもらえないかもしれません。どうなんでしょうかね?
アメリカ株は、向こう2~3年分の利益を先取りし過ぎてしまったかもしれない…。
2016年のアメリカ株式市場は、アベノミクスで日本経済が大復活を遂げて、中国経済の失速を穴埋めするまでは、すなわち、もうちょっと世界経済が手堅い成長軌道に乗るまでは、すなわち、もうちょっと「アメリカ株のPER」が低下するまでは、イエレン&フィッシャーFRBのけん制もあって、「2015年の最高値圏」を超えさせてもらえないかもしれません。ここらあたりは、相手がマーケットであるために、ちょっと自信がありません。
なにはともあれ、アメリカ側から見れば、今の日本経済は、悠長にマイナス成長なんかに陥っている場合じゃないんです。日本のアベノミクスには、再び「白羽の矢」が立ったのでした!日本株式市場は、再び日経平均:1万9.000円から2万円台を試すことでしょう。
近いうちに、先進国株式と新興国株式と資源コモディティーの3つの資産クラスの間で、穏やかな「Win-Win」の関係が始まるかもしれません。
『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2016年3月22日号より一部抜粋、再構成
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