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米3月雇用統計展望~レンジブレイクには利上げ見通しの大幅修正が必要に=ゆきママ

利上げ見通しに大幅な修正が入れば、レンジブレイクも

為替相場は大きく動かないと想定していますが、私も含めてトレーダーの皆様はそろそろレンジブレイクを期待していることでしょう。例えばドル・円であれば、1ドル=110〜115円というレンジ相場から上下のどちらかに動いて欲しいですよね。ただし、こういったトレンド発生のためには、利上げ見通しに大きな変化をもたらすような結果が必要となるでしょう。

ここでは利上げと雇用統計がどのように値動きに結びつくかを解説していきます。

まず、利上げに関して、これまでの経緯と値動きを簡単におさらいしていきましょう。

3月16日のFOMC(連邦準備制度理事会)で、今年の利上げが2回という慎重な姿勢が示されました。これによって、4月利上げはありえないとされ、下手をすると6月も難しいのでは?といった見方から米長期金利(10年債利回り)が低下し、1ドル=110円台まで押し下げられました。

しかしながら、FOMCの翌週には、そのメンバーである各地区連銀総裁が真逆のスタンスとなり、4月利上げの余地もあるといった内容の発言を繰り返しました。

市場参加者は流石に4月に行われるとは考えていないでしょうが、6月にはかなりの可能性があると感じ取り、見通しが修正されて1ドル=113円台後半まで値を戻しました。

この一連の流れを見るに、一段高となって1ドル=115円台達成のためには最低でも4月利上げが強く意識されるような内容が必要となりますし、逆に再び1ドル=110円台を試すには、6月の利上げが完全に消滅するような数字が必須と言えそうです。そして、具体的な数字としては、賃金上昇率が最低でも前月比+0.5%以上となり、前年比で2%台後半となれば、4月の利上げが意識されることになるでしょう。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

やはり、経済において賃金上昇というのは景気のクライマックス段階です。裏を返せば、賃金がしっかりと上昇し始めたら引き締めを行わないと過熱しすぎて、景気の好循環が短期間で終わってしまうことになります。中央銀行の役割として、できるだけ長く好景気を維持するということがあります。

賃金インフレのプレッシャーというのは我々が思っている以上に強いので、賃金が大幅に上振れした結果となった場合には、4月利上げの思惑からドル相場が大きく上昇することが考えられるでしょう。

一方、6月利上げが消滅するような数字を考えると、非農業部門雇用者数が+10万人を下回り、賃金上昇率も2ヶ月続けて前月比マイナスということになりそうです。こういった数字を見せられてしまうと、利上げどころかアメリカ経済そのものに疑義が生じかねませんからね。この結果に加え、通常であれば利上げ後退を好感して上昇する株価が下がるのであれば、1ドル=110円割れを試す可能性がより高まるといえるでしょう。

このように、ドル・円相場のレンジブレイクとなるためにはかなりの結果が必要となりますので、可能性は低そうです。しかし、それでも先に書いたウォルマート効果などで賃金が猛烈に切り返してくることは、決して考えられないわけではありません。これらのことを踏まえたうえで、4月1日の雇用統計に臨んでいただければ幸いです。

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