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日経平均594円安 日本株はジェットコースターの「財政出動督促相場」へ=藤井まり子

財政出動「督促相場」を演出する投機筋の狙いは?

投機筋が暴れ始めてしまいました。グローバル・マーケットは、「日本政府による、向こう3年にわたる(およそ30兆円規模のプリンティングマネーという)継続的な大型の財政出動」を促す「督促相場」に突入したと言えるでしょう。

安倍自民党政権がこの「財政出動」の実施を宣言するまでは、日本株式市場は投機筋から激しく「揺さぶられる」「脅され続ける」のではないでしょうか。

「消費税増税を先送りすることなく、単年度だけの5兆円規模の財政出動」で終わるならば、アベノミックスは昨年2015年で終わったことになります。ここらあたりを、投機筋は「試して」いるように見えます。

アメリカ株式市場は保ち合い

冒頭でもお伝えしたように、アメリカ株式市場はボックス相場に突入しました。レンジとしては、S&P500ではおよそ「1,830ポイントから2,050ポイントの間」でしょう。

実は今週のメルマガで、「2016年度の日本株式市場では、4月から5月にかけて、あるいは4月から6月半ばにかけて、真空状態が起きてしまいます」と、お伝えしようとしていました。ですがすでに、4月1日から、日本株式市場では、日経平均でおよそ500円以上の下落が始まっていました。

グローバル・マーケットは以下のように、「年初からのリスク」が消えていないのです。

グローバル・マーケット全体が「弱含みの中のボックス相場」に

2016年前半のグローバル・マーケットは、日本の安倍自民党政権が「向こう3年に渡る継続的な財政出動」を発表するまでは、以下のような理由から、2015年のような「弱含みの中のボックス相場」に陥る可能性があります。

・そもそも「世界経済」の成長が鈍化している
「中国以外の世界経済」は危機には面していませんが、成長が鈍化しているのです。

3月は、イエレンFRBもドラギECBも、それぞれアメリカ経済とユーロ圏経済の成長率を下方修正しています。先進国経済は、成長が鈍化しているのです。日本経済は、2015年第四四半期に続き、2016年第一四半期でも、成長が失速している(マイナス成長入り?)かもしれません。

2016年の世界経済全体の成長率は、2015年と同じで「3.0%」程度の「横ばい」なのかもしれません。「中国経済のハードランディング」の影響はそれほど強いのです。

・新興国経済も成長が鈍化
新興国経済も、全体の成長率は「4.0%台」と先進各国よりも高い成長が見込まれています。ですが、2015年に大底を打ったものの、成長が鈍化しているようなのです。ここは一発、金払いの良い日本政府に「財政出動の継続的なバズーカ砲」をお願いしたいところなのです。

・需要喚起のための「財政出動」への「督促相場」が始まってしまった

・海外マーケットでは、再び原油価格が値下がり始めている
3月21日には1バーレル42ドル近くまで上昇していたWTI先物価格は、38ドル台にまで急落しています。4月に突入したので、新年度は、そろそろ、アメリカ国内の大手シャーエルオイル企業の「さらなる大量破たん」が起きても不思議ではない時期です。

・「中国リスク(=中国経済のハードランディング)」が継続している

中国政府から見たら、アメリカ経済は再び「なんだか景気が良くなっている」風に見えるかもしれません。イエレンFRBの「利上げ着手」のせいで、「こっびどい目」「資金の引きはがし」にあった中国経済。そろそろ中国政府が、「アメリカFRBの利上げ」への「報復的な措置」として、西側への「嫌がらせ」として、再び人民元の切り下げへと動いても不思議ではありません。

・長い長い「過剰流動性」時代を経て、世界のマーケットが「金融政策依存症」に陥っている

「金融政策依存症」とは、マーケット関係者が「ハト派」と思い込んでいるイエレンFRB議長が何かを発言すれば、そのたびに「リスクオン」になります。ですが、FOMCのほかの「タカ派」的なメンバーが再び発言をすれば、マーケットが再び「リスクオフ」になるといった状態が、繰り返されるのが「金融政策依存症」です。

以上の理由から、そろそろアメリカ株式市場は「ボックス相場の天井」を打つことでしょう。

繰り返しになりますが、この間(新年度から日銀の追加金融緩和策の発動あたりまでの真空期間)、日本株式市場は日経平均で値幅2,000円から3,000円くらいの振幅で、激しく乱高下するのではないでしょうか。再び日経平均で、1万5,000円より下まで割り込んでも不思議ではありませんし、天井が1万8,000円とか1万9,000円あたりまで急上昇しても、不思議ではありません。

Next: 1万7,000円~1万8,000円台回復の条件

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