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上昇を続ける株価はいつか暴落する?最低限チェックしておきたい「リスク指標」の常識=加藤あきら

実戦の取引で買い・売りのタイミングを計るポイント。株式投資において最重要なポジション管理に欠かすことの出来ない「リスク指標」について解説します。(『億の近道』加藤あきら)

プロフィール:加藤あきら(あすなろ投資顧問)
国内・外資の大手金融機関で経験を積んだのち、あすなろ投資顧問に在籍。市場動向分析、市場心理分析、チャートだけでは語らない「大局的な視野」を持ち日々銘柄を分析する。顧客に寄り添うアドバイスに定評がある。

株式投資において欠かせない、リスク指標の基礎知識

ミスによって勝負が決まる、資産運用は敗者のゲーム

株式投資で儲けることばかりに集中して前のめりで投資することは、即ちノーガードで戦場に仁王立ちしているようなもので、運が悪ければ即死(退場)となります。

よく「資産運用は敗者のゲーム」と揶揄されますが、敗者のゲームとは【ミスによって勝負が決まる】ことを言います。値上がりする銘柄を見つけることや実際に儲けること自体が難しいわけではありません。ただ、それを継続することや逆にミスして含み損を抱えた時に致命傷を負わないことが重要であることを言い表しています。

要するに敗け方の論理で、全勝するのは土台ムリな話ですから、いかに損失を抑えて撤退できるかも非常に重要だとなるわけです。そして、損失よりも利益を多くする「損小利大」のためにも、マイナス分はできるだけ小さくすることを心がけたいものです。

利益を狙ううえでも、あくまで資産をリスクに晒すわけですから、素性の良い企業や需給の良い銘柄を選んで投資することはもちろんですが、タイミングはやはり慎重に見定めていきたいところです。

そのような観点から、何と言っても地合いが良い時、自らが勝ちやすい時機を探るためにも、“リスク指標”は日頃から必ずチェックしておかれるとよいでしょう。

リスク認識とポジション管理の重要性

足元の相場環境で、投資家が考えているリスクと言うと何を思い浮かべるでしょうか?

米国と中国の対立、トランプ米大統領の弾劾、中国の景気減速、英国ブレグジットとEU迷走、中東の地政学リスク、北朝鮮のミサイル発射、香港デモおよび台湾総統選挙、リーマン・ショック時を超える企業債務、大地震等の天災…。

マーケットにとって仮にこれらのリスクが顕在化した場合のことを考えてみましょう。単発と複合でも違ってくるかもしれませんが、おそらく一過性の下げで済むもの、例えばフラッシュ・ショックのようになる場合と、根本的に世界経済を揺るがしかねない、つまり本格的な暴落を引き起こす場合に分かれるかと思います。

実際には「どれも起こってみないと分からない」というのが本当のところですが、記憶新しいところでも米中通商協議や北朝鮮のミサイル発射など、ニュースヘッドラインが流れるだけで即座にアルゴ売りが発動した時もあれば、最近では全く意に介さないといったように「時と場合によって市場反応が異なる」と言えます。

つまり、「相場の先行きなど考えて答えが出せるものではない」ということです。

私自身、Yahooファイナンスの『投資の達人』にも掲載させていただいて、株価予想などをしていますが、基本的に自分の予想自体は自分で信用していません(笑)。

当たるも八卦当たらぬも八卦の株の世界で、どうあっても上がるか下がるかは五分五分の確率です。

だからこそ、勝ちやすい地合いの時こそポジションサイズを厚めにして積極的にリスクを取っていき、一方で手が合わない、どうも地合いが悪い時にはポジションを縮小して現金化しておく、このポジション管理こそが資産を殖やすための肝になってくるのです。

あ、ちなみにこれはトレード、モメンタム投資するうえでの心構えで、ウォーレン・バフェットのような投資家とは全く逆の思考となります。

Next: モメンタム投資をする際に、大切にするべきポイントとは?

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