税金だけは素早く正確に確実に取っていく
特別定額給付金が振り込まれない国民が怒り心頭なのは、税金だけはシステムがどんなに変わろうと、即座に対応して正確無比に毟り取っていくこともあるからだ。
たとえば、2019年に消費税が再び2%引き上げられたが、税務署はあっと言う間に対応して、2020年からしっかりと税金を取っていく。
政府は他にも所得税を取り、住民税を取り、固定資産税を取り、介護保険料を取り、自動車税を取り、ガソリン税を取り、酒税を取り、タバコ税を取り、贈与税を取り、相続税等を取っている。
税率も、毎年どれかが変わる。しかし、取る方は素早く対応して漏れがない。完璧な実務遂行能力がある。ところが、特別定額給付金を振り込むという話になると、途端に「現場が混乱」だとか「まだ時間がかかる」という話になる。
国民からしてみれば、「特別定額給付金はやたらめったら遅いのに、税金だけは素早く正確に確実に取っていく」という姿を見せられているということになる。国民からしてみれば「何なのだ、この国は?」という話だ。
その国のトップは誰なのか。安倍首相だ。
だから、「特別定額給付金はやたらめったら遅い」というのは、そこに大きな注意を払わずに現場が混乱するに任せて放置している安倍首相に対して国民が不満を持つようになるのは当たり前なのである。
トップである安倍首相は、各行政の長に号令をかけ、状況を改善し、国民に「今、対処している」と語りかけなければならないということだ。それを安倍首相がしていないのであれば、「して下さい」と声を上げるしかない。
安倍首相を批判するとかしないという話ではない。「安倍首相は明らかにこの部分を見逃しているから、何とかした方がいい。さもなければ、安倍首相に対する国民の信頼感は薄らぐ」と言っているのだ。
遅れることで安倍首相に対する大きな不満となる
私は安倍首相に対して敵意はない。手放しで支持しているわけではないが、民主党政権時代の首相に比べると100倍も良いと思っている。
中国・韓国・北朝鮮に抗議されたら靖国神社の参拝に行かなくなったとか、単純労働者の外国人を大量に入れて隠れた移民政策を行っているとか、習近平を国賓で呼ぼうとしていたとか、消費税を引き上げ続けているとか、はっきり言って不満に思うことも多い。
しかし、民主党政権で崩壊寸前になっていた日本という国を立ち直らせたのは安倍首相であり、韓国に対しても一定の距離を置くような政策をきちんと行っているのも安倍首相である。
政治的な混乱を収束させ、日米との結びつきも強いものにした。こうした功績はとても大きいと評価している。
だから、本来は国民に寄り添った政策であったはずの特別定額給付金の支給が遅れていて、逼迫(ひっぱく)している人たちを事実上の放置状態になっている現状、そしてそれが原因で安倍首相に対する不満が膨れ上がっている「現場」の状況を私は憂う。