国家よりも資産を多く所有するロスチャイルド家
さて、ロスチャイルド家のお家芸といえば、ウォータールーの戦いの時に、イギリスが負けるかもしれないという市場心理と、伝書鳩という当時では画期的な情報の伝達方法によって、大儲けをしたという話である。この話は聞いたことがある読者もいるのではないかと思う。
すなわち、戦争が起きるたびに、戦争の終盤になると誰よりも早く「どちらが勝ったか」の情報を知ることで、富を何倍にも増やしていったのだ。
あまりにも大儲けをしたため、戦っているフランスとイギリスの戦費の両方の調達をロスチャイルドがやったという話まである。
要は、国家元首はもちろんのこと、国家よりも資産があるファミリーなのである。
戦場の土地も、頭を使えば買い漁れる
10年ほど時を戻して、2006年頃、アリスターの紹介で何度かジェイコブ・ロスチャイルド氏と会った。その後も、オックスフォードの私の先輩にあたるため、オックスフォードでも何度か会った。
最初に会った時は、4人の子どものうち1番下で唯一の息子であるナット氏が、麻薬中毒のため病院の入退院を繰り返しているという、かなりの個人情報まで話してくれたのが印象的だった。結果として、父親であるジェイコブ氏が周囲に話をしているせいか、インターネット上で記事になっていた。
また、アフガニスタンが戦争に巻き込まれている時に、アフガニスタンの土地をほとんどタダ同然でたくさん買っているとも話してくれた。
戦地になっているアフガニスタンなどどのように買うのだろうと思ったのだが、森ビルの創業者の森氏と同じなのである。すなわち、火事場なので、誰も土地の所有権を主張しようとしない。また、制度もいいかげんである。
だから、売りたい人というのを見つけて証書を作り、それを持ってアフガニスタン政府に所有権を認めろと交渉に行く。相手が「ロスチャイルドだからいいや」と思えば、買えるという仕組みである。
もちろん、政府が変わってしまえば、「所有権を放棄せよ」という話になるのかもしれない。
いずれにしても、リスクの取り方については、今でも頭のしっかりしているロスチャイルド卿には驚くばかりだ。
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『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2018年5月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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