10月・11月の米国市場は大荒れに?
10月・11月のアメリカ株式市場は、大荒れになる可能性があります。
さらに、11月7日の大統領選で民主党が躍進して、バイデン氏が大統領になって、しかも上院でも過半数を超えるような事態になれば、5%程度の下落があるかもしれません。
その反対に、想定外にトランプ大統領が再選されれば、逆に10%くらいの上昇があることでしょう。
目下のところ、世論調査ではトランプ大統領がバイデンを追い上げています。トランプ大統領には相変わらず「隠れ支持者」が多いです。私個人も、トランプ大統領は嫌いですが、バイデン候補のほうがもっと苦手です。痴呆疑惑のあるバイデン氏よりも、暴走老人のトランプ氏のほうが「まだマシ」です。
今後は両者の討論会には注目です。「生の討論会」では、トランプがバイデンを打ち負かす可能性が十分にあります。討論会がきっかけになって、トランプは巻き返すかもしれません。トランプは勝利するかも知れないのです。
かくして、10月・11月のアメリカ株式市場は、やはり15%~20%未満くらいの調整は覚悟しておいた方が良いかもしれません。20%以上の調整にはならないという理由は、スーパー・ウルトラ過剰流動性の下では、「アメリカ株式市場全体では弱気相場には陥らない」「2020年のアメリカ株は持ちこたえる」ということです。
2021年以降のアメリカ株式市場には引き続きむちゃくちゃなものの、秋の大荒れが心配な私です。
見直される「アメリカ以外の株式市場」
アメリカ国内の機関投資家もミレニアム世代も、「ドル安・他の通貨高」のメガトレンドに乗って、アメリカ株式市場以外の海外の株式投資に注目し始めています。
先月末の8月31日には、あのウォーレン・バフェットが日本の5大商社の株式を「バルク買い」していたことが報じられ、日本株式市場では「大変なサプライズ」を持って受け止められました。
このバフェットの買い物がトリガーになって、日本株もヨーロッパ株もアメリカ株に比べると、いまだに「割安」なまま放置されていることが、世界中に知れ渡りました。
しかも、日本もヨーロッパでも「ドル安のメガトレンド」の下では円やユーロが下がりそうもありません。 アメリカ人にとっては、お買い得なのです。ユーロはさらなるユーロ高も見込まれています。円は1ドル105円前後を死守することでしょう。
ウォーレン・バフェットは、来年2021年から「ドル安」のメガトレンドが始まることを見越して、「コモディティの価格が上昇すると業績が上向く日本商社」が安値圏で放置されていることに気がついて、日本の商社を「安値買い」をしたわけです。
ハイテクなどのグロース株はあまりにも高値圏まで買い上げられてしまったので、今後はバリュー株をアンダーパフォームする(上昇率が下まわること)ことでしょう。
もしかすると、ハイテクなどのグロース株は調整局面入りをするかも知れませんし、もしかするとひょっとすると弱気相場入りするかもしれません。しかし、ハイテクバブルが弾けるわけで決してないと考えます。とはいえ、ハイテクなどのグロース株の上昇は減速していくことでしょう。
これに代わって、今後は、「インフレの波」「ドル安の波」「コモディティ高の波」に乗って、ローテクなどのバリュー株の復権が見込まれています。 バリュー株は安値圏に放置されているので、今後はグロース株をオーバーパフォーム(上昇率が上回ること)していくことでしょう。
来年からの景気回復を見越した「バリュー株への見直し」のトレンドを背景に、9月から11月にかけて、上がりすぎたアメリカ株が大荒れになっても、割安のまま放置されている日本株式市場や同じく割安感の残っているヨーロッパ株式市場、歴史的な安値圏にまで売り込まれていた新興国株式市場は、この秋でもアメリカ株ほどには荒れないかもしれません。