モデルナは大手の買収待ち?
そうすれば、モデルナも自ら製造設備を今から大量に投資しなくても、既存の大きな会社の製造設備でワクチンを作ることができますし、株主としても、買収されるということになると高値で株を買い取ってもらえるので、お互いがwin-winの関係になるということになります。
ただ、会社としての利益については、今後も上がり続けるのは難しいのではないかというところ。モデルナの役員も、株価が高いうちに持ち株を売り抜けてしまおうということを考えています。
一方でファイザーの株価を示しますと、ワクチンがこれだけ期待されていながら、株価はほとんど上がっていません。
直近の発表で上がりましたが、実際にはそれほど儲からない、さらには役員も売っている、モデルナがさらに良いワクチンを開発したらしいということになって、むしろ株価は下落に転じています。CEOは高値のところで売り抜けているので、非常に良い所で売ったということになります。
まとめると、ワクチンの会社を今から買っても、儲かるのは難しいのではないかということが考えられます。
日本の医薬品卸会社は?
では、それを日本で考えてみようということになります。
日本でワクチンを流通させるすると、実は「4大医薬品卸会社」というのがあって、必ずそれらを通じて日本の各病院に流通するということになります。
この4社というのが、メディパル、アルフレッサ、スズケン、東邦ホールディングスという4社です。これらが製薬企業から薬を仕入れて、そしてへ各医療機関に卸していくということになります。
最初はものすごい低温で運ばないといけないファイザーのワクチンについて考えられて、冷蔵庫の会社の株価が上昇したりもしました。しかしモデルナのワクチンが有効だとすると、そこまでのことは必要ないので、通常の仕組みでいけると思われます。また、そもそも医薬品の移送ということに関しては、4大医薬品卸会社が強みを持っているので、いずれにせよこれらの会社が運ぶということになると思われます。
ワクチンを仕入れて売るということになりますので、そこに利ザヤを乗せて売るということになります。
ワクチンの単価が2,000円だとして、これを2億回分にすると、売上高としては4,000億円くらいになるのではないかと考えられます。2億回分というと、1億人分ぐらいです。
それに対して粗利益率がこれらの会社が大体7%ぐらいなので、4,000億円の7%ですから、280億円ぐらいの粗利益がこの新型コロナワクチンの卸によって得られるのではないかと考えられます。
今は4社でほぼ寡占になっているので、4社で割った時に「1社あたり70億円」儲かるのではないかという風に考えられます。