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携帯キャリア値下げラッシュの先にある新たな商機とは?5GでB2BのIoT向け回線増加、楽天モバイル再攻勢なるか=シバタナオキ

各社のXRの取り組み、動向や戦略について

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――来年以降5Gも本格的に普及してきますが、5Gの3つの特徴として「超高速・超低遅延・多数同時接続」があります。これらを活かした分野の1つとしてXR(クロスリアリティー)が挙げられます。

――スポーツ観戦やコンサートなどをリアルタイムでバーチャル体験できるようになるなど、エンタメ領域は特に注目が集まっている分野かと思います。

――この点についてコミュニティから質問をいただいています。各社のXRの取り組み動向や戦略を教えて下さい。先ほどあったIoTなども関わってくるかと思いますが、そのあたりを教えていただきたいです。

XRは基本的に、超高速や同時接続で大量のデータが無線でやり取りできるようになることに意味があるのでしょう。ここに関しては4社とも色々な取り組みをしていると思います。AR系やVR系のスタートアップへの投資が中心になっていて、まだ自社で何か大きく設備投資をする感じではないです。

ここに関しては、割と4社とも投資はしているけれども様子見というか、そういう状況に見えます。そもそも5Gの回線そのものが、広いエリアで完全には準備できていないため、まだこれからという感じです。

新規参入した楽天モバイルの状況は?

――新規参入した楽天モバイルの状況についてもお聞きしたいです。資金面、基地局の設置状況、サービス面について、どのような進捗で進んでいるのでしょうか。

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売上よりも赤字が大きいという、楽天の決算をずっと見ている人からすると信じられないくらいの勢いで投資をしています。ただ、投資自体は元々の計画の範疇でやっているように見えるので、資金繰りなどの心配をする必要はないと思います。

ユーザー数もあまり心配していませんが、一番個人的に気になるのは、KDDIから回線を借りて始めているため、KDDIがあるタイミングでローミングを止められる状況になっていることです。ある一定の人口カバー率に達したら、KDDIはそのエリアでローミングをしなくてよいという契約になっています。

実際に数字上の人口カバー率が仮に70%になったとして、30%のところは繋がらないんです。携帯電話が3割の場所で繋がらないというのは、実際に暮らしていてすごく困ると思います。

今おそらく一番楽天モバイルにとって痛手なのは、繋がらないというクレームが発生することや、繋がらないというユーザー体験をさせてしまっていることでしょう。そこをいかに無くしていけるかが、一番大事です。

繋がらない携帯会社では、おそらく安くても皆入らないはずです。同じくらい繋がって安いのであれば乗り換えますが、そもそも繋がらないとなると、やはりなかなか厳しいでしょう。

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いくつかレポートが出ています。こちらは吉祥寺のレポートですが、繋がる部分もあるし繋がらない部分もあるということでした。ちょっと住宅街に入ると繋がらないなど、結構そういう話が出ているようです。

こういう状況では値段が高い・安いという話ではなくて、そもそも自分の主要回線として使いたくないと思う人が多いと思います。ここが一番ネックなのではないでしょうか。

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