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【質疑応答】NE株式会社(441A) 新規上場記者会見

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NE株式会社(441A)のグロース上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役社長CEOの
比護則良氏が記者からの質問に答えました。

NE株式会社

会社概要
社名:NE株式会社
設立:2022年5月
事業内容:クラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」の開発・提供、ECコンサルティング/EC運営代行サービス、地方自治体向けふるさと納税支援サービス及び伝統工芸品のEC販売事業等

登壇者名

NE株式会社 代表取締役社長CEO 比護則良 氏

質疑応答:「ネクストエンジンオーダーメイド」のターゲットと価値について

質問者:成長戦略のご説明の中で、「ネクストエンジン」ユーザーのARPU(ユーザー1人あたりの平均売上)をさらに上げていく施策として「ネクストエンジンオーダーメイド」を展開されているとおっしゃっていましたが、これはいつ頃から始められているのですか? また、どのようなターゲットに向け、どのような価値を提供するサービスなのでしょうか?

比護則良氏(以下、比護):「ネクストエンジンオーダーメイド」の概要をご説明します。「ネクストエンジン」というサービスはすでにプラットフォーム化されており、外部向けにAPIを公開しています。そのため、APIで独自のカスタマイズを行いながら、「ネクストエンジン」のデータを活用するかたちで切り出したアプリケーションを作り出すことができます。

つまり、各社が例えば独自の基幹システムや、何か別のシステムを持っている場合に、それらのシステムとの接続が容易に実現できる、受託型の開発サービスとなっています。

こちらは私が入社した頃、2015年くらいに立ち上げたサービスです。ただし、当時は私1人で取り組んでいたこともあり、リソース等の調整がなかなか難しく、いったん訴求を弱めた経緯があります。

前期からあらためて「ネクストエンジンオーダーメイド」の訴求を強めており、足元の状況としても、きちんと獲得できており、ユーザーの定着にも貢献しています。

質問者:本サービスを利用されている企業の数はどのくらいあるのでしょうか?

比護:「ネクストエンジンオーダーメイド」は案件数というよりも規模になってくるのですが、受託費用は数百万円くらいから数千万円の規模のものまであります。それらを当社の中でディレクションし、外部の開発パートナーも巻き込みながら提供しています。

質疑応答:売上高比率におけるストックとショットの割合について

質問者:売上高比率におけるネクストエンジン事業の比率は75.7パーセントですが、こちらの75.7パーセントの内訳の中には、ストックだけではなく受託によるショットの部分も含まれているのでしょうか? あるいはストックのみとなっているのでしょうか?

比護:大半はもちろんストックですが、売上にはショットの、いわゆるオーダーメイドも一部含まれています。

質問者:比率はどれくらいでしょうか? ざっくりでかまいませんので教えてください。

比護:圧倒的にストックのほうが多いです。具体的に金額のレベル感でお伝えしますと、前期の実績では3,000万円弱です。

質疑応答:スピンオフという形式を選んだ理由について

質問者:今までも数件スピンオフ形式で上場した企業がありますが、その時に株価形成にリスクが生じるケースもあったと思います。そのようなリスクを踏まえても、今回スピンオフ形式で上場された意図はどのあたりにあるのでしょうか?

比護:当時、経営陣とスピンオフの意思決定を下したタイミングは、まだコシダカホールディングスが申請したタイミングで、結論が出ていない状況でした。税制面でも改善等がなされ、スピンオフという手段がまず1つあるといった状態からスタートしました。

実際に検討を始め、意思決定してから進んできた期間は約6年です。この間に、何件か事例が出てきたという状況ですので、あまりその結論に左右されずに進んできています。

その上で、なぜ「そもそもスピンオフを選んだのか?」と言うと、Hameeという小売をメインにしている会社と、システムをメインにしている会社、この2つの中での最適化がなかなか図れなくなってきたという事実が理由として挙げられます。

例えば人で言うと、エンジニアが中心の会社と営業スタッフが中心の会社では、制度や仕組みを変えていくこともなかなか難しい部分があります。まずはこのあたりをどのように改善していくか、経営陣で話し合った経緯があります。

その中で、成長させていくための意思決定をいかに早くし、ダイナミックに経営していくかを考えた時に、スピンオフという方法が最適だと判断しました。また、「株主の価値の総和は、分かれたとしても大きくしていける」という判断のもとで進めていこうと、当時の経営陣で結論を出しました。

質疑応答:競合の認識について

質問者:機関投資家の見方では、プロダクトとしてかなり完成された部分があると認識しています。競合について聞かせてください。

比護:私も一定程度、プロダクトとして成熟してきていると認識しています。サービス開始(外販)から約18年続いていますので、その部分では一定、SaaSとして成熟してきているのは間違いないと思っています。

競合他社は、上場企業では株式会社アイルの「CROSS MALL」があります。非上場企業では株式会社アクアリーフの「助ネコ」、株式会社GoQSystemの「GoQSystem」などはよく聞くサービスですが、契約者数をオープンにしている企業はあまり多くありません。

私たちが聞いている限りの情報にはなりますが、多くても2,000社程度だそうです。これが次点の契約者数だと思っています。4年から5年前に比べると、競合としてコンペになるという話を聞く機会もだいぶ減ってきています。これは当社が市場シェアをかなり獲得しつつあり、ブランドの認知度も向上してきているからだと思っています。

質疑応答:海外展開について

質問者:「長期的には海外を視野に入れる」というご発言についてうかがいます。こちらは「日本の企業が海外のモールに展開することをサポートする」という理解でよろしいでしょうか?

比護:クロスボーダーで考えていますので、日本の企業を海外で支援していく、逆に海外の企業を日本で支援していく、この両方を考えていきたいと思います。

その中で、現在自社で展開しているのがリテール事業です。これはHameeが実施しているような小売メインの会社ではありません。当社としてはプロダクトやサービスをきちんと拡大していくための1つの切り口としてリテール事業を展開しながら、しっかりと裏側のシステムで支えられる仕組みを作り、クロスボーダー展開を支援していきたいと考えています。

質問者:現時点で、どのような地域をターゲットにされているのでしょうか?

比護:まだ明確にどこへ展開すると決めているわけではありませんが、現状からすると、いきなりアメリカに攻めていくわけにはいかないため、実際には東南アジアや、中国、韓国などに進んでいく確率が高いと思っています。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:初値が公開価格と同値になったことについて、感想を教えてください。

比護:私はけっこう楽観的に考えていたところがあり、正直にお伝えすると「もう少し評価されてもいいかな」と思っていました。ただし、スピンオフという独特な流れの中で、一定売りが先行した状況なのではないかとも思っていますので、きちんとここからまた価値をお伝えして、株価を上げていければいいと思っています。

質疑応答:「ネクストエンジン」の優位性について

質問者:本日の質疑応答の中で競合名と、そのようなところとコンペになることもあまりなくなったとご説明がありました。あらためて「ネクストエンジン」の優位性や、競合と比較してどこが優れているからシェアを獲得できているのかを教えてください。

比護:かなり先行してAPIの公開などが実施できていたことに加え、「ネクストエンジン」を中心にECに関するさまざまなサービスと接続、連携できているという状況があります。これは、EC事業者が成長を検討していく段階で、必要なサービスとの接続が容易であるということです。

このパートナーエコシステムがかなり盤石に構築できているところが、「ネクストエンジン」が一番支持されるポイントだと思っています。

質疑応答:Hameeから切り離されたリスクについて

質問者:もともと「ネクストエンジン」は、Hameeと「(音声不明瞭)」のECシステムからスタートしていますが、今回完全に切り離されることになります。そのような意味でのリスクはないのでしょうか?

比護:そのようなリスクはかなり前から、あまりありませんでした。2,000社、3,000社の頃は、EC事業として先行しているHameeの運用が、システムの開発に少なからず影響を与えていました。どちらかというと、Hameeの祖業であるコマース事業に影響を与えないようなシステムをしっかりと作っていくことで伸びてきた背景があります。

現在は6,500社ですが、5,000社を超えてきたあたりで、どこか1社だけのためだけではなく、汎用的なシステムを作っていかなければいけないと考えるようになりました。むしろ、Hameeは近すぎるとシステムに影響を与えてしまうため、1ユーザーとしてご利用いただくほうが、システムの汎用性、利便性は上がっていくと思います。

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