fbpx

日空調 Research Memo(5):2026年3月期は5.8%の営業増益予想だが、上振れの可能性も

マネーボイス 必読の記事



■新日本空調<1952>の今後の見通し

1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期は、受注工事高155,000百万円(前期比0.7%増)、完成工事高144,000百万円(同4.6%増)、完成工事総利益23,400百万円(同6.4%増)、完成工事総利益率16.3%(前期は16.0%)、営業利益12,000百万円(同5.8%増)、経常利益12,500百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,800百万円(同8.9%減)と予想しており、期初予想と変わっていない。親会社株主に帰属する当期純利益が減益予想となっているのは、前期に政策保有株式の売却による特別利益(2,049百万円)を計上したことによる。完成工事総利益率は、手持ち工事の採算性などから、16.3%(前期は16.0%)と改善する見込みで、販管費は同7.0%増を予想している。

大都市圏の再開発やデータセンター・工場関連を含む大型案件(繰越工事)を多数抱えており、完成工事高は初の1,400億円越えを予想している。損益面では、人的資本への投資や資材価格の上昇といったコスト増要因はあるものの、引き続き適切な施工体制の構築や業務のデジタル化による効率化、原価低減の取り組みを進めることで、前期比での増益を見込んでいる。

同社によれば、「現在の予想はかなり固めに予想したもの」とのことであり、今後の工事の進捗度合いや期中受注・完成工事の状況によっては、予想が上振れする可能性もあると弊社では見ている。

海外受注は反動で減少予想だが、国内は高水準の受注を目指す

2. 分野別の予想
(1) 受注工事高
連結ベースでの受注工事高は155,000百万円(前期比0.7%増)を予想している。個別会社の受注工事高は130,000百万円(同6.3%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般(新築)が48,100百万円(同1.7%増)、国内一般(リニューアル)が72,000百万円(同5.2%増)、原子力が9,900百万円(同50.4%増)と予想している。原子力が大幅増となるのは、前期からのずれ込みによる。

新築工事では、大型再開発案件や工場関連施設、データセンターを中心に、引き続き堅調な引き合いが見込まれることから高水準の受注を目指す。リニューアル工事は、オフィスビルなどの大規模改修案件を中心に、さらなる受注拡大に注力していく。原子力関連工事は、当初計画のとおり順調に進捗しており、追加工事も含めて今後も受注の積み上げを目指す。

関係会社の国内受注高は、12,000百万円(同12.1%増)を予想しており、保守メンテナンスや工場関連施設を中心に、さらなる受注拡大を積極的に推進する。海外の受注高は、13,000百万円(同37.7%減)を予想しているが、これは前期に大型案件を獲得した反動によるもので、受注環境は引き続き堅調に推移すると見込んでいる。

(2) 完成工事高
連結ベースでの完成工事高は144,000百万円(前期比4.6%増)を予想している。個別会社の完成工事高は122,000百万円(同9.9%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般(新築)が49,800百万円(同18.8%増)、国内一般(リニューアル)が64,000百万円(同3.0%増)、原子力が8,200百万円(同16.9%増)と予想されている。新築工事では、進行中の大型再開発案件や工場関連施設の着実な進捗により、完成工事高の積み上げを図る。リニューアル工事は、オフィスビルなどの大規模改修工事を中心に、さらなる伸長を目指している。原子力関連工事は、計画に沿って順調に進捗しており、今後も前期を上回るペースで推移する見込みだ。

関係会社(国内)は9,000百万円(同20.8%減)、関係会社(海外)は13,000百万円(同14.8%減)が見込まれている。国内では、予定していた工場関連施設の見直しなどの影響により、一時的な減少が見込まれる。海外では、大型繰越工事の建設工程の進捗状況により、完成工事が一時的に前期を下回る見込み。引き続き、工程遅延などのリスクを回避しつつ、万全な施工体制のもと、計画どおりの進歩と完成工事高の確保を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
いま読まれてます

記事提供:
元記事を読む

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー