株式会社GRCS<9250>は1月19日、2025年11月期連結決算を発表した。売上高が前期比1.4%増の33.33億円、営業損失が0.67億円(前期は0.44億円の利益)、経常損失が0.97億円(同0.25億円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が5.27億円(同1.12億円の利益)となった。売上高は16期連続の増収を維持したものの、フィナンシャルテクノロジー事業における証券会社の大型プロジェクト中断に伴う一過性の特別損失の計上や、セキュリティソリューション事業の人員不足による機会損失が利益を押し下げた。
当連結会計年度の事業環境は、生成AIの急速な普及やサイバー攻撃の激化を背景に、企業のGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)およびセキュリティ領域への投資意欲が一段と高まった。こうした中、GRCプラットフォーム事業は自社開発のクラウドサービスが好調に推移し、売上高が前期比82.7%増と飛躍的な成長を遂げた。昨今のサプライチェーンや委託先を狙った攻撃等の増加により、リスク管理に対する切実なニーズが顕在化したことが追い風となっている。また、保険会社とのパートナー販売が奏功しており、保険商品とリスクマネジメントを組み合わせた提案が顧客のニーズを的確に捉えている。
今後の成長に向けた最大の施策は、株式会社フィックスターズとの提携によるプロダクトのAI化である。現在、リスク管理、外部委託先管理、インシデント管理の3つの自社製品を、AIを掛け合わせたプラットフォームへと刷新する開発を進めている。これにより、従来は部門ごとに分断されていたタスクや管理業務を一気通貫で効率化し、経営判断に直結する価値提供が可能になる。収益モデルについても、これまでの11.2%というプロダクト比率を引き上げることを目標としている。ライセンス収益に加え、継続取引としての保守やサポートといったストック型収益の積み上げを加速させる方針だ。
2026年11月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比10.3%増の36.78億円、営業利益が1.19億円、経常利益が1.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.67億円と、黒字転換を見込んでいる。組織面では今期中に専門人材を増員し、年間取引額3,000万円以上の高単価顧客層を拡大する。同社はニッチな領域ながらも国内トップシェアを誇る強みを活かし、2030年に向けて外部との提携を戦略的に推進していくことで、企業価値と株価水準の向上を加速させるフェーズへと突入する。
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