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FOMC、日銀決定会合を控える9月14日週は夜間取引を活用し相場変動を先回りしたいところ

日経平均は21年7ヵ月ぶりの上げ幅も記録。しかしイベント前で思惑が交錯する場面も

まずは大幅反騰もあった9月7日週を振り返り

今週の株式相場は、売り圧力を強めた先週の流れから、月曜日は一旦買い直されたものの、火曜日は再び売り込まれる展開。ただ、水曜日に一転して買い賛成ムードが広まると、木曜日に利益確定売りが出たものの、金曜日は売り買いが交錯する流れとなっています。

日経平均株価は、先週末の1万7700円台から、月曜日には年初来安値割れも1万7800円台まで持ち直し。ただ、火曜日は再び年初来安値を割り込み、1万7400円台まで下押ししたものの、水曜日には日経平均が1日で1300円高と反騰を演じて1万8700円台まで再浮上。木曜日には反落も1万8200円台と大台キープから、金曜日も1万8200円台を固めるなど、水準を切り上げてきました。

20150911-Nikkei225

日経平均株価チャート 2015年9月11日終値(クリックすると拡大します)

 

先週には、戻り売り圧力の高まりに加え、利上げ動向に揺れる米国株、為替相場でリスク回避の流れが強まり、換金売りを強めていたと思います。

換金売りを誘っていた先週末発表の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加は市場予想を下回ったものの、失業率は5.1%に低下し2008年4月以来の低水準とまちまちな内容。ひとまずはリスク回避の米国株安、円高推移で折り返したことで週明け月曜日には売りが先行したものの、先週に調整が先行していた面もあり、売り一巡後は見直され、日経平均は先週末比68.31円高の17860.47円と反発しました。

米国市場休場も欧州市場、ユーロは堅調に推移しており、火曜日も見直し買いが先行したものの、日経平均株価は前営業日高値には至らず、上値抵抗となっている5日移動平均線とともに売り直される展開。上海指数が下落して始まり、中国の8月貿易統計が市場予想を下回ったことが伝わると下げ幅を拡大。中国株安、円高推移と外部要因軟化から、日経平均株価は大幅に下落。前日比433.39円安の1万7427.08円と年初来安値を更新しました。

ただ、引け後に中国で長期投資を促すため、株式を1年以上保有する株主に対し、配当金に課す個人所得税を免除すると発表。休場明けの米国市場が持ち直すと、為替相場も1ドル120円台を奪回。外部要因好転とともに水曜日には見直し買いが中心に。

さらに中国当局が経済対策を行うとの報道や、場中にも中国でのGDP算出方法の変更を伝えるなど、経済・株価対策強化の流れが強まり、日経平均株価は上値抵抗となっていた大台1万8000円や5日移動平均線(1万8006.52円)を奪回。日経平均株価終値は1万8770.51円。1日の上げ幅は前日比1343.43円高と21年7ヵ月ぶりの上げ幅となるなど、記録的な反騰を演じています。売り方の買い戻しのショートカバーからの踏み上げなども見られました。チャート上でもこのところの抵抗線となっていた25日ボリンジャーバンド−1σを突破。パラボリックも買い転換とテクニカルも好転しています。

さすがに木曜日には利益確定売りが主導。連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて利上げに対する警戒から米国株反落、円高推移と外部要因軟化とともに、日経平均株価は一時1万7956.15円と1万8000円を割り込んで800円超の下げ幅を記録したものの、前営業日に奪回した大台1万8000円や5日移動平均線(1万8029.97円)を保つと、押し目買いで下げ渋りました。終値では前日比470.89円安の1万8299.62円とやや長めの下ヒゲを引いており、1万8000円台での底堅さを見せました。

金曜日にはメジャーSQ算出日でしたが、SQ値は1万8119.49円とやや低めに決まるとSQ値をサポートとして売り買いが交錯するもみ合う展開に。日経平均は143円安から前日比プラス圏に浮上する場面も見られましたが、後場に入ると膠着感を強め、中国市場午後取引確認とともに若干弱含み、前日比35.40円安の1万8264.22円で取引を終えています。

9月14日週はFOMC、日銀金融政策決定会合とイベントを控え揺れやすい展開か

不安定な相場環境の変動要因となっている外部環境が落ち着きを取り戻すまでは、その日その日で一喜一憂する展開が続きます。安易に中核銘柄を手掛けて全体相場に振り回されるより、値動きを重視した短期売買の資金集中が期待できる銘柄群のなかで、やはりリスク限定で取り組める打診売買が有効だったのではないでしょうか。

9日の記録的な相場上昇からの反動が大きかった一週間。金曜日の指数推移も注目されましたが、寄り付き算出のSQ値を上回る推移となるなど、底堅さを感じさせる動きに。ただ、来週の金融政策イベントを控えて、思惑が交錯している面もみられました。

また、物色傾向でも外部要因の変化に備える格好で、外需関連から内需関連の資金シフトを確認。市場参加者もイベント対応を意識したポジション調整を進めています。

さて、来週には米国での金融政策イベント・FOMC(連邦公開市場委員会)の開催を控えます。17日の政策表明前まで思惑が交錯するほか、政策確認後の市場反応でも振れやすい展開となりそう。さらに週前半に日銀金融政策決定会合も控えており、来週は金融政策イベント対応の流れともなりそうです。米国で利上げ再開時期が確認されれば、不透明感があった相場にもトレンドが出てきそうです。

そこで来週は「金融政策イベント」に注目してみてください。全体相場は前述したようにイベント前後の相場の方向性が鍵を握るため、夜間取引のある先物取引を活用して翌営業日の相場変動を先回りしていきたいところです。

プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』(2015年9月11日号)より一部抜粋

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