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チャイナ・リスクに備えよ~中国不動産バブル崩壊で世界はどうなる?=栫井駿介

不動産バブル崩壊で起きること

不動産バブルが崩壊すると、大きく2つの問題が生じます。

1つ目は、理財商品などシャドーバンキングの崩壊による金融危機です。不動産への貸出を裏付けとした金融商品ですから、米国のサブプライム・ローンの問題と一見よく似ています。しかし、サブプライム・ローンと大きく違うのは、金融商品の流通が国内にとどまることです。したがって、世界的な金融危機に発展する可能性は低く、中国内の問題として処理されるでしょう。

2つ目は、中高所得者の消費の減退です。彼らの多くは不動産投資を行っていますから、バブル崩壊により家計の危機に見舞われます。理財商品に手を出していたりするとダブルパンチです。そうなると、中国の消費は一時的に大きく減退するでしょう。いまや世界第2位の経済大国の消費が減退することは、世界経済にとっても大きな打撃となります。

世界経済が減退するということは、当然世界の株式市場も下落局面を迎えます。日本も例外ではありません。賢明な投資家は、チャイナ・リスクを見越して今から備えをするべきなのです。

チャイナ・リスクへの備え

チャイナ・リスクに備えるには、まずは中国の成長に大きく依存する銘柄を避けることです。例えば、無印良品を展開する良品計画は、近年中国への展開で急速に業績を伸ばしていますが、そのままの成長が続くとは考えない方がいいと思います。

国内の不動産価格にも注意が必要です。中国の個人投資家は日本のマンションにも手を出していて、湾岸部のタワーマンションを好んで購入しています。彼らが撤退すれば、日本のマンション価格への影響も避けられません。

もちろん、世界経済が悪化した場合は、どんな株式を持っていたとしても影響を避けることは難しいでしょう。それでも、当社が推奨するバリュー株投資は、本質的な価値より低い価格のものに投資することを前提とするため、長期的に考えれば一時的な下落に惑わされることはありません。バリュー株投資で相場の波に左右されない長期投資を目指しましょう!

【関連】ハイパーインフレから生活を守る「3つの資産」と一石二鳥の「隠し玉」=栫井駿介

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年4月17日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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