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河野大臣の「利益相反」発言で株価急落、M&A仲介企業は逆張り買い好機か否か=栫井駿介

市場と一緒に成長する日本M&Aセンター

市場がこのように拡大しているので、当然、そこで最大のシェアを占めるこの日本M&Aセンターの業績というのもどんどん拡大しています。

売り上げがぐんぐん伸びて、そして利益もそれに連動するような形で伸びていきます。当然と言えば当然で、M&A仲介は何も設備がいりません。とにかくその人間がその間に立ってM&Aという案件を成立させることを目的とした会社なのです。

したがって営業利益率は40%を超える高い数字となっていますし、市場が拡大するにつれてますます業績が伸びていく、利益も伸びていくということが考えられます。

さらに言えばここで業界最大手になるということは、売り手の情報も買い手の情報もどんどん同じ会社に集まってくるということになります。

私も大企業にM&Aをやるような会社に勤めていたのでよくわかるのですが、情報がすべてなのです。特にこの売り手の情報というのはものすごく強い情報で、買いたい企業はたくさんいます。

しっかりとした売り物を持っている企業の情報があれば、それだけで仲介会社になることができて、そして、いわば濡れ手に粟の形で、どんどん業績を伸ばしていくことができるわけです。

そんなことから業績の拡大というのは市場の拡大に伴う業績の拡大ということで、株価も見事に上昇していて、この5年で見ましてもおよそ4~5倍というところにまで伸びてきています。

しかし今回、河野大臣が指摘したのはこの仲介という仕組みに問題があるのではないかということです。どういうことか具体的に説明します。

「手数料両取り」とは?

M&Aには当然、売り手と買い手がいて、日本M&Aセンターはその間に入る立場になります。

売り手で、後継者がいないので自分の会社を売りたいという風に考えている場合、このようなところに相談します。その時点で100万円から300万円の着手金を支払うことになります。

これを受けて、日本M&Aセンターは買ってくれる会社はないかということを探します。前述の通り、買ってくれる会社の方が多いという風になるのですが、買い手側も「こんな会社が買いたい」というような相談をします。この買い手からの着手金に関しても100万円から500万円をもらうという風にされています。

そして最終的に話がまとまった暁には、成功報酬として、両方から資産規模に比例した成功報酬をもらうことになります。

したがって日本語M&Aセンターは、この両方から着手金、さらには成功報酬をもらうことになります。成功報酬というのもまた大きくて、M&Aというのは1億や2億とか億単位の話ですから、例えば成功報酬5%ということになると、10億円の取引があったとしたら10億円の5%で5,000万円という、まさに「濡れ手に粟」のビジネスということにもなります。

河野大臣が指摘した「利益相反」

そんな中で利益相反の話です。

売り手に関しては当然、高く売りたいわけです。一方で、買い手に関しては少しでも安く買いたいわけです。

この間に入る日本M&Aセンターもできれば高く売りたいのですが、とにかく成立させることで成功報酬が入るので、成立させることが最優先になってしまいます。

したがって、売り手にとってはもっと高く売れたはずなのに、成立を急いで高く売れなかったという状況があるかも知れません。買い手にとっても、売られた会社の中身をもっと調べたかったのに、とにかく成立を急いだせいで納得のいかない買い物をさせられる可能性というのもあるわけです。

このようにM&Aというのは様々な利益相反だったり、問題点をはらんでいます。

Next: 規制はこれから? 生まれたばかりのM&A市場は問題山積

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