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自粛無視に屈して宣言解除。国民の「静かな反乱」招いた菅政権の無為無策=斎藤満

感染防止無策を露呈

新型コロナウイルスの感染者、死者の数でみると日本は欧米よりも少なく、「うまくやっている」ように見えます。

しかし、一部の人が指摘するように、政府も東京都知事も実は感染防止に何もせず、国民の不安を煽って国民自身が自粛した成果が出ただけ、といいます。

実際、日本で行われたことは、飲食店に協力金付きの時短を要請し、国民に不要不急の外出自粛を「お願い」するだけでした。

素人目に見ても、夜8時以降の飲食は感染リスクが高く、日中や夕方の飲食は安全という保証はありません。昼間からマスクを外して飲食し、大きな声で話をすれば感染しやすいことはコンピューターのシミュレーションでもわかっていたことです。

欧米の対応は合理的?

その点では、欧米の対応と大きく異なります。

例えば、米国では公衆衛生規則があり、飲食店、オフィスを問わず、6フィート・ルールが設けられています。感染の状況に応じて、つまり感染が急増している時期には、屋内での飲食を禁じ、屋外のテラスのみの営業となり、状況が改善すると、屋内営業を認めながら、客同士の間隔を6フィート(1.8メートル)以上とるよう求めています。

これはオフィスにも適用され、従業員がオフィスワークをする際にも、6フィートの間隔をとらねばなりません。テレワークが増えてオフィスに通う人が少なくなれば、そのスペースがとれますが、テレワークが進まない業務では、より広いスペースと換気の良いオフィスに移らねばなりません。

またニューヨークのマンハッタンでは、感染リスクの高い公共交通機関の利用を避け、自転車や徒歩通勤を勧めています。それでも自転車専用レーンが限られているため、皆が自転車通勤をすると、大きな道路に自転車があふれてかえって危険になるリスクもあります。日本では自転車通勤の体制もできていません。

日本ではテレワークをお願いするものの、実際にはテレワーク比率は2割台にとどまり、通勤電車の混雑はあまり緩和されていません。路線によっては収益の悪化から運行便数を減らしているために、結局混雑が緩和されなくなっています。これらについても日本は具体策をとっていません。混雑緩和のために客が減っても営業が維持できるよう、公共交通機関への支援が必要です。

そして台湾、ニュージーランド、オーストラリアなど、日本と同じ海に囲まれた国では、徹底した水際対策と、検査の徹底で、感染者の入国を抑え、感染者を検査でいち早く見つけ出し、隔離する政策を徹底したことで、日本よりもはるかに安全な状況を作り出し、経済への負担も小さくなっています。

やることをやらずに「打つ手なし」とは、責任逃れ以外の何物でもありません。

Next: 感染防止する気がない?政府の「お願い」を無視し始めた日本国民

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