第2世代のブラジル型変異種
そうした状況で、また新たな変異種が発見された。
3月14日、「ブラジル科学技術省」の「国立科学技術計算研究所(LNCC)」は、新型コロナウイルスの第2世代にあたる新しい変異種を、ブラジルのいくつかの地域で検出したと発表した。
これは「ブラジル型」と呼ばれる従来の亜種、「B1.1.33」からさらに変異したタイプで、これまでに見たことのない様々な変異がウイルスのタンパク質に見られるとした。
ブラジルの研究者によると、この最新の変異種にはワクチンで作られる中和抗体のブロックをすり抜けてしまう危険な変異が含まれており、これは蔓延すると、感染を制御するのが一層困難になるかもしれないとしている。
十分な注意を!
いまのところ、この変異種は発見されたばかりで、これまでの変異種よりもさらにワクチンの効き目が弱く感染力が強い可能性があるということ以外にはあまり情報が出ていない。
なぜこの変異種が新型コロナウイルスの「第2世代」と呼ばれているのかは詳しく説明されていないのでよく分からないが、どうも従来の変異種では検出されていないタンパク質の変異が数多く確認されていることが理由のようだ。
ただ、幸いなことに、この第2世代の変異種はブラジル国内でしか検出されておらず、世界の他の地域にはいまのところ拡散はしていないようだ。
しかしこの変異種は、いま日本でも蔓延が確認されている「イギリス型」のように、近い将来、日本でも拡大しないという保証はない。
3月24日、東京では感染者が新たに420人報告された。都内の累計の患者数は11万8,061人で、このうち現在入院している重症患者は42人となった。新規感染者数(1週間平均)は、24日時点で対前週比103.6%となっている。緊急事態宣言が解除になった後も、感染者の増加傾向が続いている。
致死率が再び上昇している
さらに日本の致死率だが、これも上昇に転じている。9月からの致死率の変化だ。
9月:1.90%
10月:1.75%
11月:1.65%
12月:1.47%
1月:1.41%
2月:1.78%
3月:1.94%
これを見ると明らかだが、1月までは順調に下落していた致死率だが、2月から急に上昇している。この傾向は世界各地域でも見られており、変異種の蔓延と致死率上昇のタイミングが一致している。
変異種が原因なのかどうかは分からない。だが、これから変異種の新たな蔓延が始まる可能性はあるので、注意だけは絶対に怠ってはならないだろう。