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イオンディライト、下期は売上高が前年水準に戻り営業利益は回復傾向 売上拡大と収益性の改善に向けた対策が奏功

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2021年4月9日に行われた、イオンディライト株式会社2021年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2021年2月期決算説明会

濵田和成氏:イオンディライトの濵田でございます。本日はご多用の中、当社説明会にご参加いただき本当にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。それでは、先行して開示しております2021年2月期決算説明会資料に基づいて始めさせていただきます。

本日は、2020年度決算報告、それからグループ経営体制の整備とビジョンの再設定、中期3ヵ年経営計画、2021年度の業績予想と株主還元について順にご説明させていただきます。

連結損益計算書

はじめに、2020年度、通期の業績についてご報告をいたします。次のページをご覧ください。売上高は、前年比97.2パーセントの3,000億円、売上総利益は、前年比96.4パーセントの371億円、販売管理費は前年比97.2パーセントの219億円となりました。

これらの結果、営業利益は、前年比95.2パーセントの152億円、経常利益は、前年比95.7パーセント、同額の152億円になりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高益となる前年比125.0パーセントの116億円となりました。

これは連結子会社、旧カジタクにおける不正会計処理問題の業績遡及修正、これに伴う法人税等還付による影響であります。なお、配当につきましては、期初に通期70円を予想しておりましたが、当社が配当方針とする連結配当性向35パーセント、これにのっとり、通期82円といたします。

足元のトレンド ―四半期毎のトレンド変化―

続きまして、2020年度の新型コロナによる環境変化の大きさに鑑み、四半期ごとにトレンドの変化を見てみました。次をご覧ください。

当社では、新型コロナの感染拡大が上期業績に大きな影響を及ぼしたことを受け、下期を迎えるにあたり、売上拡大と収益性の改善に向けた対策を練り直しました。売上拡大に向けては、防疫対策を組み入れたファシリティマネジメント、FMのニュースタンダードの導入拡大や、貿易関連資材の受注拡大に向けた取り組みを強化いたしました。

収益性の改善に向けては、設備管理、警備、清掃、建設施工の各事業において、巡回型を基本とした新たな施設管理モデル、エリア管理への移行や、低収益物件の改善、それから各種工事の仕様や工程の最適化などによる原価の低減、そして、テレワークやリモート会議といった新しい働き方の推進を通じた販管費の抑制、これら4つのことに取り組みます。

こうした取り組みの結果、下期は売上高が前年同期並みに回復し、営業利益は増益となりました。これは、新型コロナという未曾有の危機に際して、当社が環境の変化へ対応し、組織力を発揮したことによる成果だと自負しております。

なお、新型コロナによる通期営業利益への影響額は、期初想定内のマイナス15億円程度に着地いたしております。

【ご参考】旧カジタク※の業績を除いた損益計算書(同規模比較)

続きまして、参考値としまして、旧カジタクの業績を除く同規模比較についてのご紹介です。次のページをご覧ください。旧カジタクの業績を除いた2020年度の業績数値は、ご覧のとおりの数字となりました。

セグメント売上高

続きまして、セグメント売上高についてご説明いたします。次のページをご覧ください。セグメント売上高は、清掃、それから資材、この2つの事業で増収となっております。清掃では、防疫対策を組み入れた新たな清掃手法、ニュースタンダードクリーニングの導入拡大に注力し増収となりました。

資材関連では、業務用マスク、手袋、アルコール、それからアクリルパーテーションといった防疫関連資材の受注を拡大したことなどによって増収となっております。自動販売機、ならびに子会社の旅行関連事業を含むサポート、この2つの事業は、新型コロナ感染拡大に伴う外出やイベントの自粛要請が業績に大きく影響いたしました。

セグメント損益

続きまして、セグメントの損益についてであります。次のページをご覧ください。セグメント損益は、警備、清掃、建設施工の3事業が増益となっております。警備では、入退店管理や閉店業務のシステム化、それと、価格交渉を通じた単価の適正化が収益性の改善に寄与しております。

清掃では、新型コロナ対応に伴う売上増に加えて、仕入先の集約化や低収益物件の改善が寄与しております。建設施工では、各工事の仕様や工程の最適化を通じた原価の低減、これが寄与いたしました。

連結貸借対照表

続きまして、連結貸借対照表についてご説明いたします。次をご覧ください。親会社株主に帰属する当期純利益が過去最高額である116億円を計上したことによって、純資産は、前期比約9パーセント増の882億円となっております。一方、総資産については、旧カジタクの不正事案に係る損失引当、これを取り崩したことによって、前期とほぼ同額である1,365億円でありました。

その結果、自己資本比率は前期より6.4ポイント増の64パーセントとなり、カジタク事案発覚前の水準に回復しております。

連結キャッシュフロー計算書

続きまして、連結キャッシュフロー計算書についてご説明いたします。次のページをご覧ください。現金及び同等物は前期比22億円減少いたしております。これは営業キャッシュフローにおいて104億円の収入がありましたが、旧カジタク社の証明写真事業譲渡に45億円、それから、子会社株式の追加取得に18億円、配当の支払いに33億円、それから固定資産取得に24億円要したことによります。

2020年度の主な取り組み ① 新型コロナ感染拡大への対応

続きまして、2020年度の主な取り組みについてご紹介いたします。次のページをご覧ください。はじめに、新型コロナ感染対拡大への対応についてであります。当社は2020年初頭より、日本、中国、アセアンをまたいだ対策本部を立ち上げ、さまざまな防疫対策を講じることによって、事業を展開する各国でウィズコロナ時代に対応した施設環境作りに貢献してまいりました。

人々が求める「安全・安心」の基準が変化する中、その基準を超えるため、記載の4つのテーマを掲げ、防疫対策を組み入れ、ファシリティマネジメント、FMのニュースタンダードの構築に取り組みました。その一環として、ウィズコロナ時代の清掃新基準、ニュースタンダードクリーニング、これを確立し、9月よりサービスの提供を開始し、その導入拡大に努めました。

また、ニュースタンダードクリーニングの提供にあたっては、その担い手となる防疫対策の専門家、これを育成するため、独自の教育プログラムを策定しました。当社グループ各社、それからパートナー企業の従業員を含め、履修を促進した結果、現在までに約1,200名の防疫対策清掃の専門家を育成しております。

ほかにも、当社が管理する自動販売機全台を対象とした抗ウイルスフィルムの貼付の実施など、コロナ禍においても「安全・安心」に過ごせる施設環境作りに取り組んでまいりました。

2020年度の主な取り組み ② ビジネスモデルの変革を加速

続きまして、ビジネスモデル変革に向けた取り組みについてご説明いたします。次のページをご覧ください。当社では、かねてからの課題である人手不足を解消し、持続可能な事業モデルを構築していくため、事業構造の変革に向けたDX、デジタルトランスフォーメーションを進めています。

その一環として、人手不足に対応しながら顧客満足度を高めていくために、お客さまに当社設備管理員をエリアでシェアしていただく「エリア管理」への変革を進めております。当期は北海道を検証地に、施設管理を遠隔サポートしながら、お客さまの情報やご要望を集約するカスタマーサポートセンター、CSCを新設しました。

同時に、モデル店舗として、イオン余市店において各種システムやセンサーの導入によって常駐する設備管理員の無人化に向けた実証実験に取り組みました。この結果、同店では11月より、常駐設備管理員を無人化した状態で営業をしております。以降、北海道では、道内全域での省人化、無人化の横展開を推進しています。

「エリア管理」を国内その他の地域でも展開していくため、2月には、CSCを全支社にて設置し、この3月より、本格的な稼働を開始させています。また設備管理のみならず、警備においてもシステム化を通じた省人化を進め、新たな施設管理モデルの構築に向けたDXを推進しております。

2020年度の主な取り組み ③ 技術コンテストを開催

続きまして、技術コンテストの開催についてご説明いたします。次のページをご覧ください。当社は、技術力と人間力を兼ね備えた専門家集団となるため、昨年度より設備管理、警備、清掃の事業ごとに技術コンテストを開催しております。

コロナ禍においても専門性向上に向けた火を絶やさないために、防疫対策を徹底した上で、11月に「第2回イオンディライト技術コンテスト」を開催しました。各事業において、国内グループ各社やパートナー企業のメンバーらが互いの技術や取り組み成果を披露し合いました。

当社はこうした取り組みを通じて、先ほど説明した新たな施設管理の手法を取り入れながらも、引き続き技術力と人間力に磨きをかけ、専門性を高めることで、お客さまが保有される施設の安全・安心に貢献してまいります。

2020年度の主な取り組み ④ グループ内組織再編

続きまして、グループ内組織再編についてご説明いたします。次のページをご覧ください。当期は、グループ各社の役割と機能の明確化、グループとしての資本生産性の向上、そして、グループガバナンス体制の強化を目的に、グループ内組織再編を進めました。

旧カジタクのKJSにつきましては、他社への譲渡や撤退によって事業の整備を実施した上で、お客さまとの契約期間が残る一部事業に関しまして、当社グループとして契約を確実に履行することでお客さまへの責任を果たすべく、当社がKJSを吸収合併し、当該事業を承継しました。

加えて、FM市場における中小型施設への競争力強化を目的に、エイ・ジー・サービス(株)と(株)ドゥサービス、2社の経営統合を決議し、2021年3月1日付でイオンディライトコネクト(株)を誕生させました。

その他、当社グループ内で一定の役割を果たした(株)ジェネラル・サービシーズの解散と精算を決議しました。また、建設施工事業の強化を目的に、設計・内装工事業の(株)ユーコムを吸収合併し、当社建設施工事業部門に統合いたしました。

2020年度の主な取り組み ⑤ 新規受託物件の拡大

続きまして、新規受託物件の拡大です。次のページをご覧ください。大型施設を保有されるお客さまを主たる対象に積極的な営業活動を推進した結果、商業施設に加えて、ISM、統合型施設管理契約による、製造業の本社を含めた複数施設や、工場、ホテル、医療関連施設、各種スタジアムなど、さまざまな用途の施設で新たにサービスの提供を開始しました。

2020年度の主な取り組み ⑥ アジアでの事業展開

続きまして、アジアでの事業拡大についてです。次のページをご覧ください。まずは中国事業です。イオンディライト江蘇では、重点ターゲットとするショッピングセンターや、病院、養老院、再開発エリアといった施設の受託拡大に注力することで事業を拡大いたしました。

それから、武漢小竹では、2020年1月下旬から4月上旬にかけての事実上の都市封鎖が業績に大きく影響したものの、その後は企業活動も段階的な再開や組織機能の回復に伴い、回復基調で推移いたしました。

次に、アセアン事業についてです。イオンディライトベトナムやインドネシアのPT Sinar Jernih Sarana、SGSにおける現地イオングループ店舗を中心とした着実な受託拡大によって、アセアン事業全体としてシェアを拡大いたしました。

当期はアジア各国で新型コロナウイルスによるマイナス影響を受けたものの、施設における感染拡大防止の対応や、新規受託物件の拡大などによって、海外事業全体では売上ベースで前年比101.0パーセント、営業利益ベースで同98.3パーセントと、前年並みの着地となっております。以上が2020年度の決算報告となります。

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