グローバルな金融機関に成長した野村
金融においてアメリカの市場規模は圧倒的であり、アメリカで稼げない金融機関はすべてローカルな金融機関と言っても過言ではない状況になっていると思います(特に証券業務は)。
もちろんゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレー(MS)などのバルジブラケットと言われるアメリカを本拠とする大手金融機関にはまだ足元にも及びませんが、野村はすでにアメリカで一定のプレゼンスを確立しています。
アルケゴス損失で評価できる面も
アルケゴスの件についても、有名な投資銀行の多くが取引をしており、結果としては大きな損失を計上することになりましたが、日本の金融機関で唯一と言っていいほど深く取引しているメンバーに加わっていた野村については、逆に日本の金融機関では一番高く評価しています(GSみたいに直前で逃げられなかったところは、まだまだなのかもしれませんが)。
国内営業部門とアセットマネジメント部門は手堅く稼いでいると思います。
以前の野村のように力技で手数料を稼ぐという営業手法はもうできないので、預かり資産に対するフィーを貰うような営業になっていかざるを得ないでしょう。
また今後、国内支店は半分以下に減らすような施策になってくると思います。
フィンテック事業にも精力的
5月11日付けで、野村が千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行と4社でリモートでの金融コンサルティングサービスを提供する合弁会社を設立するというニュースが入ってきました。
参考:野村HD 地銀3行と新会社設立へ 個人資産運用をネットで助言 – NHKニュース
リテール営業は、コストの高い支店運営を減らしてDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進めていくという流れにどんどんなってくるでしょう。
またLINE証券のように、ITのビックプレイヤーと組んでFintech事業も行っており、まだ収益は厳しいものの、開業1年で30万口座以上の新規口座を獲得しているようです。
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