早晩、訪れることになるのがドル安円高
いきなりドルの価値が半分になって本当に経済的にもやっていけるのかと心配する向きの気持ちはよくわかりますが、これが米国の伝統的なやり口であり、過去にもこれを仕掛けて何度も実行している点を見逃すことができません。
110円のドル円が半分になることなどあるのかと懐疑的になる方も多いと思いますが、2011年の東日本大震災直後には75円初頭まで値を下げているわけですから、冷静に考えてみればそんなに驚くほどの話ではないことも見えてきます。
実質実効レートで考えますと足もとのドル円の価格はほぼ1980年代の1ドル240円から260円位だった時とおなじドル高水準と言われています。
さすがに今日の明日でいきなり米国仕掛けでドル安が到来するとは言いませんが、中期的にはこうした作為的なドル安仕掛けが走る可能性は充分に認識しておきたいところです。
世界的に主要国としての勢いを失った日本は、本来的な意味では円安へとシフトしてさらに没落国への道を歩むことになりそうなのは誰でも薄々気がついているのでしょうが、その前にまた、米国の債務縮減のために円高でいいように使われる時間がやってくるのではないでしょうか。
ノーと言えない日本。ニクソン・ショックから50年でまた嫌な思い出が蘇るところです。
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『今市太郎の戦略的FX投資』(2021年8月6日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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