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ベーシックインカムは日本を壊したい誰かの妄言。「働き損」で貧困層だけの国になると気づけ=鈴木傾城

働かないでわざと困窮するのは合理的な判断になる

もし、こうした本当の貧困者や困窮者はベーシックインカムとは別枠の生活保護で助けるというのであれば、そのことが日本人の「精神的な荒廃」をもたらすだろう。

なぜなら、人々はこのように考えることになるからだ。

「ベーシックインカムをもらい、さらに働かないで困窮すると生活保護費も別にもらえる。そうであれば働いたら負けだ」。

それはずるい考え方ではない。働かなければ働かないほど生活保障を厚くしてくれるというのであれば、働かないでわざと困窮するのは合理的な判断になるのである。

確かに、現代の弱肉強食の資本主義は確かに凄まじい貧困と経済格差を生み出した。しかし、働かないで政府に食わせてもらうシステムは正常なのだろうか。

「働いたら負け」が現実になれば、やがて貧困層だけの国になる

ベーシックインカムは「行き過ぎた資本主義」に対するひとつの提案として生まれた所得再分配のアイデアである。

所得再配分なのだから、消費税みたいなものではなく累進課税で金持ちから取ればいいという人もいる。「累進課税などで金持ちからがっぽりと税金を取って、それを原資としてベーシックインカムを実現したらいい」という発想だ。

しかし、フォーブスの世界最強クラスの金持ちであるウォーレン・バフェットやビル・ゲイツやジェフ・ベゾスの資産が10兆円規模であるのを見ても分かる通り、金持ちからがっぽりと税金を毟り取っても、とても100兆円には満たない。

仮に何とか最初の年に100兆円を金持ちから毟り取ったとしても、2年目になると誰も金を持っていない事態となる。つまり、いくら累進課税で金持ちから金を毟り取っても、それをベーシックインカムの原資にするというのはできない。

そもそも、金持ちに全資産を毟り取るような重税を敷いた瞬間、金持ちは国を捨てて出て行くだろう。後に残されるのは、金持ちも事業家もいなくなった貧困層だけの国になる。

Next: 「働かない」人が出てくるのは必然。それで日本は豊かになるか?

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