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ベーシックインカムは日本を壊したい誰かの妄言。「働き損」で貧困層だけの国になると気づけ=鈴木傾城

「働かない」ことを選ぶ人が出てくるのは必然

かなり精密かつ徹底的な税制改革でベーシックインカムを実現したとしても、そもそもそれで国は成長し、豊かになり、未来は明るいのだろうか。

ベーシックインカムを実現したら、国富が増えるのだろうか。国民は勤勉で、意欲溢れるようになっていくのだろうか。

私は、そうは思わない。

「働こうが働くまいが一定額をもらえる」というのであれば、「働かない」ことを選択する人間が出てくるのは必然でもある。

生活するにはまったく足りない額であればベーシックインカムの意味がないので、ベーシックインカムは必要最小限の生活ができる額になる。たとえば10万円だ。しかし10万円は必要最小限だ。

日本人の大多数は都会で暮らしているが、大都市圏に暮らして10万円でやっていくというのは大変なことだ。本来であれば働かなければならない。

しかし、10万円が入るのなら、むしろ極限まで節約して10万円で一生働かないで暮らそうと思う人も続出するはずだ。働くのは面倒くさい。何もしないで寝ていた方が楽だ。

そうであれば働かない選択をする人が増えても当然なのである。

それは、どこかで見た体制だと思わないだろうか?

働かない人が増えれば国家の歳入はそれだけ減る。すると政府はベーシックインカムを維持するためにますます税金を引き上げなければならなくなる。

結果的には税金ですべて奪われて、働けば働くほど税金が過大にかかって損する社会が生まれることになる。

わざわざ労働をして損をするなら、余分に働こうなどと思う奇特な人はいない。働いて酷税を取られて「働いていない奴ら」に配られるのなら、馬鹿馬鹿しくて働いていられないと思うのが人の心だ。

これは、どこかで見た体制だと思わないだろうか。

そうだ、共産主義だ。働いている人間も働いていない人間も、頑張っている人間も怠けている人間も、みんな一律の給料にしたのが共産主義である。

共産主義の国家に生きていた国民はみんな働かなくなって、共産主義国家は非効率さゆえに崩壊していった。

Next: そして、誰も働かない社会へ。ベーシックインカムの罠に気づけ

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