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日本人には無理だった「リベンジ消費」、なぜ米国と差がついた?時短解除後も銀座クラブは虫の息=今市太郎

米国では感謝祭・クリスマスのシーズンに入り、リベンジ消費が加速するとみられています。さて、日本はどうか。減税も一律給付金もない我が国では、年末年始のリベンジ消費は期待できません。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2021年11月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

日本に「リベンジ消費」は来るのか?

米国では、11月後半の感謝祭の休みを皮切りに年末のクリスマスまで、国を挙げての一大消費シーズンが展開されます。

さらに今年はコロナ禍で抑圧されていた影響から、消費拡大は例年よりも加速するのではないかといったかなり楽観的な見通しが出始めています。

いわゆるアフターコロナにおける「リベンジ消費」というのがこれに当たるわけです。

もともとリベンジ消費というのは、世界に先駆けて感染大爆発を起こし、いち早く収束させた中国で人々の購買欲求が爆発的に高まったことを指す言葉。

果たして、こうした状況が米国で、そして日本でも起こりうるのか?個人消費という視点から考えますと、興味深いものとなります。

米国は現在、いったんコロナ感染が収束したかのように見えます。例年でも、年間個人消費の5割をこの年末シーズンに投入する人がほとんどという、かなりレアな消費行動をみせる国です。なので、今年は特盛で「リベンジ消費」が示現する可能性もありそうです。

しかし日本で、この年末、そうした動きが出るのかどうか。かなり疑問な状況になっています。

野村総研の予測では消費回復は限定的

野村総研では、この10月中盤にコロナ禍が収束した場合の消費価値観や生活行動を把握するため、7月のもっともコロナ感染が厳しかった時期に、全国の15~69才の1万8,800人を対象にした調査結果を発表しています。
※参考:コロナ禍収束にともなう「リベンジ消費」は限定的|生活者動向 | レポート – 野村総合研究所(2021年10月18日配信)

激しい感染段階での調査ですから、全体的に足もとの意向よりはかなりネガティブであるとは思うものの、感染が終息したら「コロナ前の生活に完全に戻る」と考えているのは、回答者のたった25%だけでした。

コロナ禍以前の生活にある程度は戻るが、完全には戻らないと答えた人が59%、コロナ禍の生活と同じ状況を継続すると答えた人が16%です。

日本人の特性なのかも知れませんが、鬱積したものを「リベンジ消費」といった形ではじけさせるようには見えないのが、非常に気になるところです。

また、個別の消費活動についての支出意向で見ますと、「外食」はちょうど60%割程度の人が収束すれば何らかの形で増やす・元に戻すと答えています。

「国内旅行」はそれを超える67%ですが、海外旅行や美術館博物館めぐり、コンサート観劇、映画鑑賞、スポーツ観戦、カラオケ、アウトドアレジャーは50%台に留まっています。

どれも一定の回復は図られるのでしょうが、これまでの反動で爆発的な金銭利用になるかどうかが大きな問題になりそうです。

どの項目でもコロナ禍前を超える水準まで支出を増加させると答えている人はだいたい15~17%程度ですから、過去2年間に使わなかったお金を一気に回収できるようには見えないのが気になります。

Next: 増えない所得。個人消費が爆発的に回復する理由はない

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