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日本人には無理だった「リベンジ消費」、なぜ米国と差がついた?時短解除後も銀座クラブは虫の息=今市太郎

給付金も減税もない日本。個人消費が回復する理由はない

国内の家計所得の推移を見てみますと、さすがに昨年末のボーナスもまったく支給されず最悪の状況に陥ったところからは、ある程度改善していることが窺われます。

しかし日本は、米国のように広範に手厚い給付金が支給されたわけでもなければ、欧州諸国のようにいち早く消費税関連での減税が実施されたわけでもありません。

アフターコロナと言っても、ほとんどが自助努力で生活をもとに戻して行かなくてはならないのが現状です。

しかも、国の調査・統計では把握できない形で貧困層は驚くほど増えているのが実情です。10月以降、ガソリン・灯油価格の高騰をはじめとして、電気料金の上昇を筆頭にさまざまな商品価格が上昇を始めています。

その中にあっては、コロナが収束したから、これまで我慢してきた反動で爆買いする人というのは、相当に収入が高く、コロナでも影響を受けなかった層以外には考えられないのが正直なところです。

銀座の高級クラブは虫の息。時短解消後もお客さんは戻らない

この10月、ひとりの女性からの久々のLINEで、銀座のクラブの時短解除後の状況を知ることとなりました。

この女性は銀座のクラブで働くホステスさんで、コロナ禍前までは外から見てもそれなりの収入のあるはずだったのに、LINEで送られてきたのはお店再開の営業メールではなく、転職相談の内容であったのです。

聞けば、銀座のクラブでは食べていかれないので、今さら違う職探しをするのだと言います。彼女曰く、この2年で資金的に持たずに閉店した店は想像以上に多く、10月とにかく箱(お店)の賃料を命からがら払い続けたクラブは、なんとか再開することになったとのことですが、人気店以外は青息吐息の経営状態で、実態はママがひとりで切り盛りし、顧客と同伴して店に連れて来られない限り、出勤無用というオンデマンドビジネスと化していると言います。

とにかくこの2年の店が休業している間、様々なアルバイトを経験したとのこと。

しかし、ほとんど学歴も職歴も関係ない低賃金労働しかない劣悪な仕事に携わることとなり、かと言って、夜の仕事に戻っても、店の都合優先で十分な収入が得られないクラブホステスやキャバクラ嬢などは、昼間の低賃金労働を簡単に辞められないのが現状だそうです。

コロナ感染者数が減ったこの段階でも、この業界はまったく元に戻っていない、これからも戻らないことが見えてきます。

Next: 期待できないリベンジ消費。コロナは本当に収束したのか?

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