宝くじ依存症に陥る人も
こうした認知バイアスに突き動かされた人たちが宝くじを買い、当選発表日まで、ワクワクしながら夢を見るわけです。
当たったら、家を買おう、クルマを買おう、借金を返そう、海外旅行に出かけよう、会社を辞めよう、事業を起こそう……などなど、お金でできそうなことをあれこれ想像するのです。
そして当選発表日に、「やっぱり当たらなかった」とがっかりするのです。
そんな悔しい思いの時には、「まあ、宝くじに当たって不幸になる人も多いから、当たらなくてよかったのかも…」などと自己正当化までしてしまいます。
宝くじに大金を投じてしまった人ほど、こういうことの繰り返しをしています。宝くじ依存症といってもよいわけです。
今まで宝くじに投じてきた金額の多さを振り返ると、先に挙げた「喪失不安バイアス」に陥り、サンクコスト(埋没費用)の呪縛に捕らわれ、続けて買わずにいられなくなるのです。
脱却するには、宝くじが「無駄の塊」であることを理解することが大事です。
「宝くじ」は最も効率の悪いギャンブル
2020年度の宝くじの売上8,160億円のうち、当選金はたったの46.5%(3,745億円)しかありません。
残りの53.5%のうち、地方自治体などに38.2%(3,071億円)が建前上分配されますが、そのうちの1割程度は総務省傘下の公益法人が100団体近くもぶら下がっており、そこに総務省役人が天下って高給を蝕む構図になっています。
地方自治や社会貢献を謳っているものの、本当は総務省OBの楽園が築かれています。
繰り返しますが、宝くじは、配当率がたったの46.5%しかないのです。他の公営ギャンブルと比べると非常に見劣りします。
競馬も競輪も競艇もオートレースも約75%もの配当率だからです。民営のパチンコは約87%です。騙されてはいけないのです。
では次に、「福袋」のカラクリについても見ておきましょう。