金利の動きと連動するビットコイン相場
このような行動をする「クジラ」の影響力が大きくなっていることが背景となり、ビットコインの相場が金利の変動と一層密接に連動するようになっている。いま「FRB」や「イングランド銀行」などは金融緩和策からのテーパリングで金利を引き上げる方向に動いている。これは市場に流通するキャッシュの量を抑制することになるため、インフレの効果的な抑制策になる。
すると、インフレのリスク回避のために投資されていたビットコインの魅力は減少する。そのため「クジラ」は、今度は投資をビットコインから引き上げ、株などの他の資産に移動させる傾向が強くなる。この結果、ビットコインの相場と、金利やインフレ率とが連動するようになるのだ。
利上げが続くとビットコインは下落か?
「FRB」は2022年度中に3回の利上げを計画し、債権の買い取りも終了するとしている。このような状況が継続するとビットコインの相場はどうなるのだろうか?SNSではこの予測が多く見られる。
普通に考えると、もし「クジラ」がビットコインをインフレのリスクを回避するための手段として見ているのであれば、利上げのたびにビットコインはインフレヘッジの魅力を失い、下落する方向に向かうことも考えられる。少なくとも投資家が集まるSNSでは、「FRB」の利上げ決定ともに、そのような悲観的な予測も多くなっている。
実際、このような方向に動くのかどうかはまだ分からないが、「FRB」の実施する利上げと連動して、ビットコインの下げ相場になる可能性も十分にある。これには注意しなければならないだろう。
米ミレニアル世代の暗号通貨熱
一方、このような悲観的な相場予測を打ち破るニュースも注目されている。
アメリカの20代後半から30代半ばまでのミレニアルと呼ばれる世代が、2022年に暗号通貨の大幅な買い増しを考えていることが分かったのだ。市場に参入したいと考える人が増えているため、来年は暗号通貨への投資額が増加する可能性がある。
米大手のテレビ局、「CNBC」の調査によると、ミレニアル世代は2022年にもっと多くの暗号通貨を購入に興味を持っていることが明らかになった。最近の暗号通貨価格の下落にもかかわらず、このような結果だった。
「CNBC Millionaire Survey」によると、ミレニアル世代の億万長者の83%が暗号通貨を保有している。この調査では、100万ドル以上の投資可能な資産を持つ個人を対象としている。さらに、全投資家の半数以上が、資産の半分以上を暗号通貨で保有していた。
また「CNBC」によると、ミレニアル世代の大多数が、来年はより多くの暗号通貨を購入するという。調査によると、ビットコインやその他の暗号通貨の最近の価格下落にもかかわらず、ミレニアル世代の億万長者は、暗号通貨への投資を縮小するつもりはないとのことだ。約半数(48%)は今後12カ月間に保有額を増やす意向で、残りの39%は現在の暗号通貨の保有額を維持する意向だった。来年は暗号通貨への投資を最小化したいと考えているのは、わずか6%しかいなかった。