fbpx

ビットコイン相場に大異変、実態経済の指標と連動しだしたワケ。米ミレニアル世代が暗号通貨に本腰=高島康司

ビットコインの相場の値動きにこれまでとは異なった傾向が見られようになっている。ビットコインの相場が金利の動きや株式と連動し始めているのだ。暗号通貨の今後の動きについて解説したい。(『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』高島康司)

【関連】ビットコインの過激な楽観論「2038年に10億ドル突破」は本当か?試金石はエルサルバドル法定通貨化=高島康司

※本記事は『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』2021年12月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

※毎週土曜日16:00よりLIVE配信予定「私たちの未来がどうなるか考える!メルマガ内容の深堀りと視聴者からの質問に答えるQ&A」
世界中から情報を収集、分析し、激変する私たちの未来を鋭く予測する『ヤスの備忘録』でおなじみ、ヤスこと高島康司さんのライブ配信がついにスタート。世界の未来を、政治経済の裏表だけでなく、歴史、予言、AI、陰謀、スピリチュアルなどあらゆる角度から見通します。視聴方法はこちらから。

変化するビットコインの動き

ビットコインを中心とした暗号通貨の今後について解説したい。

ビットコインの相場の値動きにこれまでとは異なった傾向が見られようになっている。ビットコインの相場が金利の動きや株式と連動し始めているのだ。

これまでビットコインを中心とする暗号通貨の相場に一番大きな影響を与えていたのは、個人投資家が集まるSNSで拡散する相場展開のシナリオであった。もちろん、中国やアメリカなど主要国の動向や、機関投資家の動きが相場に影響することは間違いないが、それとともにSNSで広く支持される相場のシナリオやニュースの拡散が、相場を大きく左右していた。イーロン・マスクのツイートをきっかけに2年半で2万7,000倍も上昇したドージコインなどは、その典型的な例であろう。

特定の暗号通貨が高騰、または暴落するとの説得性のあるシナリオが出てくれば、個人投資家はそのシナリオ通りに行動し、結果的にシナリオの内容を自己実現させてしまう。これまで暗号通貨の相場動向には、この傾向が強かった。

一方、株式相場は、資金力のある機関投資家が中心となるため、投資家の集まるSNSのシナリオだけで相場が動くなどということはめったに起こらない。むしろ株式相場は、金利の動向、インフレ率、失業率、GDP、そして政府の経済政策など実体経済の客観的な動きに連動して変動している。

暗号通貨の相場では、このような実態経済との連動はどちらかというと希薄であった。金利やインフレ率がどうあれ、むしろSNSのシナリオに扇動されて、勝手に相場は高騰したり、暴落したりした。これが、個人投資家が主体の暗号通貨の市場の実態であった。

暗号通貨と実態経済は、相対的に無関係であるように見えた。

暗号通貨が実体経済の指標と連動

しかしながら、最近この傾向に大きな変化が見られるようになっている。暗号通貨の相場が、実体経済の指標と連動して動くようになっているのだ。SNSで拡散されるシナリオが主導するこれまでのトレンドとは大きく異なる動きだ。暗号通貨市場の株式市場化とでも呼べるような現象だ。

これを如実に示す出来事が最近あった。「米FRB」による、前倒しの金利引き上げ発表だ。それによると、アメリカの長期金利は2022年末までに、現在のゼロに近い水準から0.90%まで引き上げる可能性がある。これは、インフレが一過性のものであるとしていた従来の見方を「FRB」が改め、インフレの抑制に動いたことが理由だ。

また「FRB」は、インフレ率の上昇を懸念して、国債購入プログラムの終了を早めることも発表した。2022年3月に新型コロナウイルスのパンデミックが発生した後、「FRB」は金利をゼロに近いレベルまで低下させるとともに、債券購入プログラムの一環として、毎月120兆円の国庫短期証券を購入していた。この政策を早期終了するのである。また「イングランド銀行」も、世界の先進国の中で初めて、金利をゼロに近い状態から0.25%に引き上げた。

こうした利上げの動きの中でビットコインは、4万9,000ドルにから3%以上も下落して4万7,000ドルになった。明らかに金利の上昇と連動した動きだった。

Next: 機関投資家のクジラが中心に/インフレヘッジとしてのビットコイン

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー