fbpx

株価低迷「花王」は消費者からも見放されるのか?オーケーストア“売り場追放”の余波と楽観・悲観の2シナリオ=栫井駿介

結局、花王は「買い」なのか?

では、この株価低迷を受けて、花王は買いなのか、というところを見ていきたいと思います。

PER21.4倍というのは必ずしも割安といわれる数字ではありません

平均が15倍と言われていますから、むしろ割高に見えます。

逆にこれまではPER30倍とかで取り引きされていましたから、下がったとはいえまだ割高な水準です。

しかし、私は花王のPERは他の会社と比べて高くていいと考えています。

その理由はPERの決定要因にあります。

簡略化すると、あるべきPERはこういう式で表せます。

220214_kakoi_kao_7

リスクが高いとPERは小さくなり、成長性が高いとPERは大きくなります。

花王は成長性はそれほど高くはないですが、盤石の基盤があるのでリスクが相当低いです。

低いリスクとまあまあの成長性ということで、結果的にあるべきPERは割と高いものとなります

これまでは平均して25倍くらいで取り引きされていたので、投資家の見方ではそのくらいが妥当なのではないかと思います。

それに比べて21倍というのは割安であると見えます。

そして、連続増配銘柄ということで、これからも利益を増やしていけるのであれば配当も増えていくと思われます。

現在の配当利回りが2.8%で、増配を続けるとなると、買値に対する配当利回りはどんどん上がっていくことになるので、安定銘柄として持っておくには良い状況なのではないかと思います。

安定銘柄といっても、今のように株価が下がることは往々にしてあります。

そういう時に手放すのではなく、本当にその銘柄に自信があるなら、下がった時に買うことが大切です。

目先の上下動ではなく、その企業が長期にわたって利益を伸ばし続けられるかを判断する能力が長期投資家には求められるのです。

しかし、私は花王の買いを煽るつもりはありません。

皆さん自身で考えて納得して判断していただきたいと思っています。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


つばめ投資顧問は、本格的に長期投資に取り組みたいあなたに役立つ情報を発信しています。まずは無料メールマガジンにご登録ください。またYouTubeでも企業分析ほか有益な情報を配信中です。ご興味をお持ちの方はぜひチャンネル登録して動画をご視聴ください。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。

【関連】日本株は安すぎる。バリュー投資家がひっそりと仕込む「激安」3銘柄とは=栫井駿介

【関連】トヨタは電気自動車を売っても儲からない。株価上昇が期待できる関連銘柄の大本命とは?=栫井駿介

【関連】ロボアドバイザーは手数料の無駄?それでも大多数の投資家に有益である理由=栫井駿介

image by:Jonathan Weiss / Shutterstock.com
1 2 3 4

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2022年2月12日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー