<やってはいけないことその3:原油価格上昇を価格に転嫁できない企業に投資する>
3つ目のやってはいけないことは、原油価格上昇を価格に転嫁できない企業に投資することです。
原油価格は予想できないものですが、中期的なシナリオとしてはこの高騰とインフレ傾向はしばらく続く可能性が高く、逆にデフレになる可能性は低いと思われます。
インフレになると原材料価格が上がります。
原材料価格が上がった分販売価格が上がっても売れるような強いブランド力を持った企業なら良いですが、競争が激しかったりして価格を上げられないような企業が価値を伸ばしていくのは難しいです。
そもそも原材料価格の上昇を商品に転嫁できないような企業は、少なくとも長期では持つべきではありません。
投資期間別戦略
ここからは、短期(数週間)、中期(1年~5年)、長期(5年以上)の投資戦略を示していきます。
私が行っているのは長期投資ですが、それぞれの戦略を理解することで自分の投資を確立することにつながると考えます。
<短期(数週間)の投資戦略>
まず短期としては、原油価格の高騰に賭けるというものがあると思います。
一般的にモノの価格が上がると儲かりますから、そこに人々が殺到して供給量が増え、やがて価格は下がります。
上がり続けるということはありません。
ただ、原油に関しては、新たに生産しようとしてすぐに生産できるものではありませんから、そこに1~2年のタイムラグを要します。
そのタイムラグの間は足りない状態が続きますから、その期間は上がる可能性があります。
しかし、上がって一気に下がる可能性もあるので下がったらすぐに退散する必要がありますが、そういうところには歴戦の猛者たちが集まるので、初心者が太刀打ちできる相場ではないと考えます。難易度の高いギャンブルです。
<中期(1年~5年)の投資戦略>
中期の戦略としては逆張りです。
紛争も原油の高騰もいつかは終わり、平常回帰すると考え、例えば過去5年のPER等を見て今割安だと思える企業を仕込むというのはアリだと思います。
特に過剰反応した銘柄です。
例えば、新型コロナウイルスが発生した初期には原油先物価格がマイナスになるという状況でしたが、その時に、原油は結局必要になってくるとして買っていたなら、今では相当な利益を上げているということになります。
逆張りというのは目先ではなく中期で考えるものだと思います。
もちろんここで買うのは、平常に戻ったらしっかりと利益をあげられる企業ということになります。
<長期(5年以上)の投資戦略>
そして長期の戦略としては、状況でそれほど変わるものではありませんが、長期的に利益をあげられる優良銘柄を安く買うということです。
このような混乱の状況ではどんなに良い企業であってもまとめて下がるという局面があります。
そういう時に仕込んでおければ、企業の成長に伴って、あるいは混乱からの復帰によって株価が上がる可能性が高まります。
もちろん、相場の動きは読めるものではなく、業績が伸びている企業であっても株価が付いてこないということもありますが、本当に良い企業であれば、5年もすればほぼ確実に利益をあげられると思います。
そのために私たち長期投資家は「良い企業とは何か」ということを分析探索しています。
期間別の投資戦略をまとめると、上記となります。
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