先行指標をどう読むか
さて、そこで先行指標を見ていくと、
ismの数字は全体的にマチマチの数字となっています。ISM(全米供給管理協会)の雇用指数の弱めの数字は労働者不足が背景といった指摘もあり、やや影響が懸念されるところです。
もっとも、市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+40万人増となっており、かなり堅調な数字が見込まれています。
NFPの数字については、マイナス圏に落ち込むとか、逆に100万人を超えるとか、よほどのサプライズがなければ影響はほとんどないでしょう。ドル円が動いても、全戻し、行って来いだと思われます。
また、最も注目される平均時給については、前月比で+0.5%となっており、前回(1月分)の+0.7%から、やや鈍化する見通しとなっています。予想並か下回れば、インフレは落ち着くとの見方につながりやすいですが、ウクライナの情勢が情勢だけに、なかなかドル安にはなりにくいでしょう。
一方、前月並の+0.7%以上の数字が出た場合には、先々の利上げを織り込む形で一段とドル高につながる可能性がありますから、一番見ておきたい数字となります。
湾岸戦争時もイラク戦争時も、米国は原油高や不透明感を背景に個人消費が落ち込み、デフレになりましたから、ロシア-ウクライナ戦争は当事者ではないとはいえ、少し長い目で見た時に重大な影響をもたらすことになりますから、賃金インフレの度合いも勘案して見ておきたいところです。
雇用統計でドル円は大きく動かない?
ウクライナ情勢が情勢だけに、雇用統計で米ドル円がトレンドを作るような値動きになる可能性は低そうです。相場の値動き的に押し目があればといった程度で、全戻し想定で10〜20銭取れるか取れないかが良いところ。
114.80円レベルを底として、115.00〜115.20円で取れればといったところでしょうか。