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なぜシャープが化粧品に参戦?異業種からの参入ブームも“富士フイルム”の後追いは無理か。虚しく続く「マスク抽選販売」に消費者の反応は冷ややか

あの電機メーカーのシャープが、化粧品事業に新規参入すると発表したことが、SNS上で大いに話題になっているようだ。

報道によると、マスク着用による乾燥や肌荒れ対策を目的としたスキンケア化粧品「クリスタリーク」シリーズとして、今月22日には薬用保湿クリームを、さらに4月下旬以降には薬用の化粧水と乳液を発売するという。

同社としては、まずは月間5,000個の販売を目標としているようで、市場の反応を見ながら自社のオンラインストアのみならず、量販店などでの販売も検討していくとのこと。さらに今夏以降には日焼け対策商品、さらにゆくゆくは美容家電と連携した商品の展開も考えているという。

富士フイルム等による化粧品業界参入との違いは?

2005年にあった薬事法の改正、さらには通販市場の拡大などを背景に、ここ数十年でかなり増えている化粧品業界への異業種からの参入。

これまでロート製薬や大塚製薬などといった製薬メーカー、さらに味の素や江崎グリコなどの食品メーカーなど、様々な業種の会社が化粧品事業を展開しているが、それらのなかでも、成功例のひとつとしてよく知られるのが富士フイルムによる参入だ。

デジタルカメラの普及により写真用フィルムの需要が激減していくなかで、フィルムの主原料であるコラーゲンに関する技術や、フィルムに塗布する成分を極小化するナノ化などといった、それまで培ってきた経験が他の新たな製品に応用できないかと研究開発を重ねた同社。2008年に本格参入を果たしたスキンケア化粧品事業によって、その後同社は事業構造の大転換に成功することとなったのだ。

このように富士フイルムをはじめとした企業が、もともと自社で持っていた技術を応用する形で化粧品やスキンケア商品を作り始めたのに対して、今回のシャープによる新たな化粧品は、報道によるとコスモビューティーとの協業で開発したものとある。要はOEMということで、その点は上記のパターンとは大きく異なるようである。

ちなみに最近では、企業による参入だけでなく、例えばSNSなどで影響力を持つインフルエンサーなどが、よりニッチな要望に応じた化粧品などを展開するブランドを、個人で立ち上げるといったケースも増えているとのこと。化粧品のOEM製造を行う企業のなかには、30万円の低予算からオリジナル製品のOEM委託ができるといったサポートサービスを行うところもあり、新たな新規参入ブームといった状況となっているようだ。

あの“シャープマスク”は今もなお抽選販売が続く

そんななか発売されるシャープのスキンケア化粧品だが、その特徴は先述の通り、昨今の“マスク習慣”によって生じる様々な弊害に対応している点。

シャープといえば、コロナ禍以降は生業である家電製品だけでなく、マスクの製造・販売でも存在感を発揮しているのはご存じの通り。マスク不足で日本中が大騒ぎとなっていた最中に登場した同社製の不織布マスクは、一時は販売サイトにアクセスが集中し、購入できない者が続出する人気ぶりとなったのも記憶に新しい。

そんなシャープ製のマスクだが、マスクの供給がすっかり安定して久しい現在でも、定期的な抽選による販売が続けられているようだ。ただ、過去に一度でも抽選に参加すると、取り消しの手続きをしない限りはその後の抽選にも参加し続ける仕様になっているようで、SNS上からは「また当選メールが届いた…」といった声もよく聞かれる状況だ。

いっぽうで、始まりからすでに丸2年が経ったマスク生活だが、この先どこまで続くのかというのも、シャープにとっては気になるところかもしれない。アメリカでは先日、公共交通機関でのマスク着用義務を1か月延長するという報道もあったものの、欧州も含めた諸外国においては、マスクからの解放へと向かっている流れだ。

ただ清潔好きな人が多い日本では、アフターコロナもマスク習慣がある程度は残るのではといった見方も無くもないところ。どうやらシャープとしては、少なくとも日本においては今後も“マスク生活”がしばらくは続く……そう踏んでいるようだ。

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