相続放棄という逃げ方
たとえば、親が多額の借金を背負ったまま、あるいは使い道がなく手に余る不動産を所有している場合、もしくは相続を巡る揉め事を回避したい場合などにおいて、財産を相続する権利を放棄する「相続放棄」という方法があります。
何もしなければ借金も含めて自動的に受け継がれてしまいますが、家庭裁判所に相続放棄の手続きを行えば手放すことができます。
相続放棄には期限があり、相続開始を知ってから3カ月以内に行わなければなりません。
ただし、預貯金だけは相続し借金だけ放棄するなどという都合の良いことはできず、資産も負債もまとめて放棄することになりますから、プラス財産とマイナス財産をよく検討する必要があります。
そして自分が相続放棄をすれば、他の法定相続人に相続する権利が移行します。
なので相続放棄をする場合、特にマイナス部分があるならば、他の法定相続人にも一声かけるか相談しておいた方がよいでしょう。
一方、財産がプラスかマイナスかわからない場合、「限定承認」という手続きがあります。
これは、相続財産に資産と負債が混在する場合、資産額に限定して負債を相続する(要するに、プラス財産を超えない範囲に限りマイナス財産を相続する)という便利な相続方式です。相続放棄は単独でも可能ですが、限定承認は相続人全員で手続きする必要があります。
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『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2022年3月28日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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